AIが一流の人間の研究者よりも迅速かつ低コストで、より大規模に重大なソフトウェア脆弱性を発見できるようになると、すべてのCISOは次の喫緊の問いに直面します。オープンソースの脆弱性にパッチを適用するまで、どれだけの猶予がありますか。また、追跡している脆弱性は数件、数十件、それとも数千件でしょうか。現在の脅威が出現するスピードと規模に対応できる防御態勢が整っていますか。
AIモデルは今や、コードを記述するだけでなく、読み取り、その意図を理解し、問題が生じる箇所を正確に特定できます。ソフトウェアの脆弱性を発見して悪用する能力では、最も熟練した一部の人間を除き、AIモデルが上回っています。
この取り組みの中核を担う最先端モデル「Claude Mythos Preview」は、主要なオペレーティングシステムやWebブラウザに存在するものを含め、すでに数千件の重大度の高い脆弱性を発見しています。中には、数十年にわたる人手によるレビューや数百万回もの自動セキュリティテストでも見つからなかった脆弱性もあります。
“今すぐAIによるWAFポリシー適用の自動化に取り組む組織は、セキュリティを競争優位性へと変えられます。”
銀行システム、医療記録、物流ネットワーク、電力網を支えるソフトウェアには、以前からバグが存在していました。しかし、かつてはバグを発見して悪用するために、希少かつ専門的な知識と技術が必要でした。AIによって、必要なコストや労力、スキルの水準は大幅に下がっています。AIの進歩の速さを踏まえると、こうした能力が広く普及し、安全な利用に取り組む主体だけにとどまらなくなる可能性もあります。
サイバー防御担当者にとっての意味
かつては理論上の懸念にすぎなかったものが、今や運用上の現実となっています。AIを活用した脆弱性の発見は、件数と速度の両面で劇的に増大し、情報開示から実際の悪用までの猶予期間が短くなっています。
あらゆるセキュリティ組織が直面しているのは、攻撃者が攻撃にAIを積極的に活用するのと同じように、防御にもAIを活用できるかという問題です。このような環境では、静的なシグネチャベースの防御だけでは、もはや十分ではありません。AIモデルが数週間で重大度の高い新たな脆弱性を数千件も発見できるとすれば、セキュリティチームが手作業でシグネチャを作成、テスト、調整、導入する方法では到底追いつけず、攻撃者の動く速さには対応できません。
従来のWebアプリケーションファイアウォール(WAF)の運用サイクル、すなわちアラートをトリアージし、開発者と検証し、例外を実装したうえで、アプリケーションごと、リリースごとにこのプロセスを繰り返す方法は、機械知能によって脆弱性が次々と発見される状況では立ち行かなくなります。すでに余力のないチームはさらに対応が遅れ、組織は最もリスクを負う余裕のない局面で脅威にさらされることになります。
Project Glasswing EraがWAFの運用モデルを変える理由
Project Glasswingが明らかにするのは、脆弱性だけではありません。対応速度の問題も浮き彫りにします。
Claude Mythos Previewが主要なオペレーティングシステムやWebブラウザに存在する重大度の高い欠陥を、わずか数週間で数千件も明らかにできるようになると、新たな脆弱性が見つかるたびに時間との競争が始まります。攻撃者がその発見を攻撃に利用する前に、悪用の試みをどれだけ迅速に検知し、トリアージして、ブロックできるかが問われます。この競争は以前から存在していましたが、AIによってその猶予期間は劇的に短縮されました。
特にWAFには、これにより相互に増幅する3つの圧力が生じます。
1. シグネチャパイプラインだけでは対応が追いつかない:既知の脅威に対してシグネチャは引き続き不可欠であり、カタログ化されたエクスプロイトを高い信頼度で確実にブロックします。しかし、シグネチャは設計上、事後対応型です。脆弱性を特定し、ルールを作成してテストし、デプロイする必要があります。脆弱性パイプラインがAIの速度で進み、何千もの新たな発見が絶えず明らかになる状況では、シグネチャのみに依存する戦略では、発見から保護までのギャップが拡大していきます。
2. チューニングの負担がセキュリティ上のリスクに:多くのWAF導入では、アラートは出力されているものの、チューニングにコストがかかり、部門横断の対応が必要で、リスクも伴うため、ブロッキングモードへの移行が遅れるという、よくある状況に陥っています。Glasswing登場後の世界では、この遅れは単なる運用上の不便ではなく、測定可能なセキュリティ上のリスクです。適用に移る前のチューニングに1週間費やすたびに、その間、保護されていないアプリケーションに対して、新たに発見された脆弱性が悪用される可能性があります。AIがカーネルの脆弱性を自律的に発見し、連鎖的に悪用して、ユーザーアクセスからシステム全体の制御へと権限を昇格できるようになった今、「導入済みだが適用されていない」状態の代償は、かつてないほど大きくなっています。
3. 防御側もAIのスピードにAIで対抗する必要があります:AIによって攻撃側が加速しているなら、防御側も同様に加速しなければなりません。そのためには、複数のシグナルを用いて脅威をリアルタイムで評価し、リスクを動的に判定し、人間が介在するチューニングサイクルを待たずに判断を適用できるセキュリティ制御が必要です。
F5の対応
F5はこの変化を予見していました。そのため、F5 Distributed Cloud ServicesのAI搭載WAFは、この新たな現実に対応できるよう設計されています。厳選されたシグネチャの組み合わせ、コンテキストに基づく攻撃指標、リアルタイムの機械学習(ML)モデルなどを用いた多層分析によって、シグネチャを補完します。さらに、ゼロデイ攻撃検知により、実際に悪用されている未知の脅威を捉え、異常検知により、シグネチャやルールでは予測できない振る舞いの逸脱を特定します。各リクエストには動的なリスクレベルが割り当てられるため、従来のWAF導入を停滞させていた運用上の複雑さを伴うことなく、誤検知を抑えながら、より迅速にブロッキングモードへ移行できます。
準備状況を評価するために、すべてのCISOが今四半期に確認すべき3つの質問をご紹介します。
- その量に対応できますか?現在の脆弱性管理プロセスは、新たな問題が人間の対応可能なペースで見つかることを前提に構築されています。AIによって数週間で重大度の高い欠陥が数千件も明らかになった場合、チームは十分な速さで特定し、優先順位を付け、修正できるでしょうか。それとも、未処理の問題が増え続けるだけでしょうか?
- 未知の脅威を検知し、数秒で対応できますか?ゼロデイ攻撃は、シグネチャが用意されるまで待ってはくれません。お使いのセキュリティスタックは、これまで知られていなかった脅威をリアルタイムで検知できますか。また、新たな脆弱性が発見された際、検知ロジックをどれだけ迅速に更新できますか。手作業でのルール作成や変更管理プロセスが必要なら、すでに後れを取っています。
- ブロックしていますか、それとも監視しているだけですか?アプリケーションポートフォリオのうち、監視モードではなくブロックモードで能動的に保護されている割合はどの程度でしょうか?監視モードのままのアプリケーションでは、侵害の発生を確認できても阻止はできません。この隔たりこそが、実際に緩和されていない攻撃対象領域です。
ほとんどの企業はWAFを導入していますが、実際にブロックを適用している企業はわずかです。ポリシーのチューニングには、セキュリティチームに不足している時間と専門知識が必要なため、WAFは監視モードのままになっています。
その結果、セキュリティ予算に計上されているにもかかわらず、実際にはビジネスを保護できていない状態に陥ります。AIを活用した攻撃が加速するにつれ、このギャップは組織の存続を脅かすリスクとなります。今すぐAIによるWAFの適用自動化に取り組む組織は、セキュリティを競争優位性へと変えられます。
F5 Distributed Cloud ServicesのAI搭載WAFについて詳しくは、F5 Distributed Cloud WAFのWebページをご覧ください。
また、以前のブログ記事「パッチ適用の猶予期間は終わった。次なる脅威に備えるF5のアプローチ」もご覧ください。
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