今日では、スケーラビリティが必要かどうかを問う余地はありません。答えは常に「必要」です。業界を問わず、アプリケーションは現代のビジネスモデルに不可欠であり、ビジネスの成長は、その運用規模を拡大できるかどうかにかかっています。そのため、システムは一般に、スケールが必要になる「かもしれない」時ではなく、必要になる「その時」に備え、必要な機能を組み込んで導入されます。通常、その役割を担うのがプロキシです。したがって、スケールを支えるプロキシ(通常はロードバランサー)は、あらゆる最新アーキテクチャにおいて極めて重要なコンポーネントです。
これらのプロキシは、単にスケーリングの仕組みとして機能するだけではありません。オートスケールの力を借りて、いわば魔法のように自動でスケーリングすることが、ますます求められています。「auto-scale」というハイフンでつながれたシンプルな言葉には、多くの意味が込められています。たとえば、システムにプログラムで指示して、追加のキャパシティを起動するだけでなく、スケーラビリティを担うプロキシにその存在を認識させ、そこへリクエストを転送できるようにする機能も含まれます。
十分な機能を備えたプロキシであれば、必要なプログラマティックインターフェースを備えていると考えられます。APIエコノミーは、アプリと人の間で情報を共有するだけのものではありません。オンプレミスかクラウドかを問わず、システム間で共有することも意味します。しかし、ロードバランシングプロキシに新しいリソースを追加する処理は、データプレーンではなく、管理プレーンまたはコントロールプレーンで行われるという点は、見落とされがちです。

これは理にかなっています。統計情報の収集や構成の変更によって、稼働中のシステムに影響を与えることは避けなければなりません。特に、システムがフル稼働でユーザーにアプリを配信しており、容量を追加しようとしている状況では、なおさらです。
しかし、逆のことが起きたらどうなるでしょうか。システムの稼働が、システムの管理を妨げる場合です。
自動スケーリング(手動スケーリングでも同様です)が失敗します。その結果、アプリケーションのキャパシティを拡張できず、ビジネスに悪影響が及びます。
言うまでもなく、これは深刻な問題です。
この問題が発生するのは、多くのプロキシ(このパラドックスを想定して設計されていないもの)が、コントロールプレーンとデータプレーンでシステムリソースを共有しているためです。両者は分離されていません。アプリの配信に使用するネットワークが、プロキシの管理にも使用されます。アプリの配信に割り当てられたRAMとコンピューティングリソースも、プロキシの管理に使用されます。負荷がかかると、リソースを利用できるのはどちらか一方だけです。スケールするためにプロキシへアプリのリソースを追加しようとしても、その操作に必要なシステムへアクセスできなければ、深刻な問題に陥ります。
そのため、プロキシを選定する際は、管理性を考慮して評価することが重要です。単に管理しやすいかどうかだけではありません。APIやスクリプト機能だけでなく、高負荷時の管理性も評価する必要があります。大規模なスケールに対応するよう特別に設計されたプロキシでは、アプリケーション配信によってデータプレーンにどれほど負荷がかかっていても管理と監視を継続できるよう、「管理」用に別個のリソースを確保する必要があります。
ネットワークの世界では、これをアウトオブバンド管理と呼びます。これは、プライマリパスでありクリティカルパスでもあるデータパスの外部で行われるためです。
負荷がかかった状態でも、データパス外からプロキシを管理できることは、アプリケーション、ひいてはビジネスを自動または手動で拡張する総合的な能力において重要です。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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