F5 BIG-IP Advanced WAFとF5 Distributed Cloud Web App Scanningによる仮想パッチの実践

F5 ADSP | 2026年6月09日

最新のアプリケーション開発チームには、迅速な対応が求められます。アプリケーションは、本番環境にデプロイして初めて機能します。しかし、どのようなアプリケーションにも潜在的な脆弱性が存在する可能性があります。これは、今日のアプリケーションが複数のオープンソースライブラリやコードを組み合わせて構築されていることに伴う、ほぼ避けられない副産物です。

アプリケーションや、その構成要素であるオープンソースに存在する脆弱性は、発見、調査、検証を経て最終的に公表されると、パッチの適用が必要になり、実際に適用されます。

しかし残念ながら、パッチ適用サイクルが脆弱性への対応に追いつかないこともあります。特に、サードパーティ製コンポーネントやレガシーアプリ、ダウンタイムを許容できないビジネスクリティカルなシステムに脆弱性が見つかった場合はなおさらです。

“仮想パッチは、既存または新たな脆弱性に対する恒久的な解決策が開発・テストされ、本番環境に導入されるまでの間、エッジでリスクを即座に軽減するのに役立ちます。”



「脆弱性の公開」から「修正の適用」までの時間差は急速に縮まり、わずか1年前には数日単位だったものが、今では分単位で測れるほどになっています。さらに、Claude Mythosをはじめとする最先端のAI脆弱性発見ツールの登場により、「パッチ・アポカリプス」への恐怖が、デジタル版「ダモクレスの剣」のように、あらゆる企業に不気味な影を落としています。最大の恐怖は、予想されるパッチの津波への不安を上回る現実が、それが起きるかどうかではなく、いつ起きるかという問題として迫っていることです。

その現実が迫っていることを踏まえると、今こそ、アプリケーション内の共通脆弱性識別子(CVE)に可能な限り多く対処すべき時です。待ち受けるパッチの津波がアプリケーション環境を襲う前に対処する必要があります。懸念される「平均パッチ適用時間」と、現在では脆弱性の発見から悪用までの時間が急激に短縮していることは、周知のとおりです。そのため、ゼロデイの猶予が縮まるなか、既存のアプリケーション脆弱性に対処する間でさえ、組織は危険な宙ぶらりんの状態に置かれかねません。

仮想パッチのメリット

ここで力を発揮するのが仮想パッチです。既存または新たな脆弱性に対する恒久的な解決策を開発・テストし、本番環境に導入するまでの間、仮想パッチはエッジでリスクを即座に軽減するのに役立ちます。

Webアプリケーションファイアウォール(WAF)は、脆弱なコードを変更することなく脆弱性の悪用を抑制または阻止できるセキュリティ技術であり、ソフトウェアパッチが提供されるまで、アプリケーションの脆弱性を狙う攻撃パターンを検知して阻止できます。 仮想パッチは、脅威への露出を抑え、制御を一元化し、緩和までの時間を短縮します。ただし、仮想パッチは根本的な脆弱性を修正するものではなく、ルールが不完全な場合は回避される可能性もあります。そのため、誤検知や検知漏れを防ぐための監視とチューニングが不可欠です。それでも、パッチをすぐに利用できない場合や導入できない場合には、仮想パッチによって組織は対応時間を確保し、リスクを軽減できます。

F5が提供する仮想パッチ適用の1つの解決策

The F5 Application Delivery and Security Platform (ADSP)により、F5 Distributed Cloud Web App Scanning とF5 BIG-IP Advanced WAFを統合し、拡張性の高い自動化された脆弱性検出と仮想パッチ適用を実現できます。

BIG-IP Advanced WAFは、WebアプリケーションとAPIの両方に対して、コンテキストを深く理解した保護を提供します。シグネチャベースの防御にとどまらず、行動分析、脅威インテリジェンスに加え、OWASP Top 10のWebアプリケーション脅威カテゴリ、ボット攻撃、APIの悪用に対する高度な保護を活用します。しかし、どれほど高度なWAFでも、その効果は可視性に左右されます。把握できないものや見えないものを保護することはできません。

そこで役立つのがDistributed Cloud Web App Scanningです。アプリケーションの弱点を可視化し、検出結果を既知の脆弱性クラスに対応付けるとともに、一般的なエクスプロイト手法の影響を受ける可能性がある箇所を明らかにします。スキャンにより、防御担当者にとって特に重要な次の問いへの答えが得やすくなります。脆弱性は何か、どこで露出しているか、どの程度緊急性が高いか。こうして得られたインテリジェンスが、迅速な緩和策を講じるきっかけとなります。

エッジに導入されたBIG-IP Advanced WAFは、多様な環境にまたがる一元的なポリシー適用ポイントを提供します。Distributed Cloud Web App Scanningと組み合わせることで、急速に変化する今日の脅威やエクスプロイトの状況に対応するために必要な、継続的な検出とリスク評価が可能になります。

Distributed Cloud Web App Scanningダッシュボードでは、OWASP Top 10 2025 Web Application脆弱性インデックスに基づいて分類された脆弱性を、割り当てられたCVEスコアおよび重大度とともに確認できます。このビューはレポートとしてダウンロードし、BIG-IP Advanced WAFに直接インポートできます。検出された脆弱性に対処するため、既存のポリシーまたは新しいポリシーを適用できます。また、仮想パッチで保護する脆弱性のドメインを選択することもできます。

Distributed Cloud Web App Scanningがアプリケーションのコード内に高リスクの問題を特定すると、BIG-IP Advanced WAFが仮想パッチ適用の制御ポイントになります。アプリケーションの変更を待つことなく、BIG-IP Advanced WAFの保護機能により、以下を含むエクスプロイトの挙動を標的として無力化できます。

  • 悪意のあるリクエストシグネチャ(インジェクションやトラバーサルの試行など)をブロックする。
  • 悪用されやすい特定のURLやパラメーターの保護を強化する。
  • 脆弱性クラスに関連するペイロードを阻止するため、入力検証を強化する。
  • 既知の攻撃の亜種を検知するため、異常検知および振る舞いベースの保護を適用します。

この「境界でのパッチ適用」アプローチは、公式パッチの提供が遅れる可能性があるゼロデイ脆弱性や新たに公開されたCVE、またはパッチ適用にメンテナンス時間枠が必要な場合に、特に有効です。

仮想パッチは、一度適用すれば終わりではありません。誤検知を最小限に抑えながら、緩和策によって攻撃をブロックできているかを継続的に検証する必要があります。BIG-IP Advanced WAFが提供するログ記録と可視化により、ブロックされている対象、調整が必要なポリシー、正規のトラフィックが中断なく継続していることを確認できるフィードバックループが形成されます。一方、Distributed Cloud Web App Scanningによる継続的なスキャンは、脅威にさらされる範囲が縮小したことの検証に役立ち、ガバナンスを支援します。包括的な修正が導入済みかどうか、また仮想的な制御をいつ緩和できるかを追跡できます。

仮想パッチが重要な理由

スキャンと適用を組み合わせることで、セキュリティと運用の現実のギャップを埋めます。

組織は脆弱性の悪用から保護され、パッチ適用が遅れた場合でも、より迅速に緩和できます。既知のWeb脆弱性による影響範囲も縮小されます。さらに、悪用されている脆弱性から重要なアプリを優先的に保護するための、反復可能なプロセスを確立できます。

これにより、フロンティアAIに起因する次の一連の脆弱性と、それに伴って予想される大量のパッチにも、はるかに適切に対処できるようになります。

重要:仮想パッチは実際のパッチ適用に代わるものではありません。しかし、より恒久的なパッチが提供され、テストを経て導入されるまでの間、お客さまと開発チームが安全に対応時間を確保するために不可欠な防御層です。

詳細については、F5のプレスリリースをご覧ください。また、F5 WAFソリューションおよびF5 API securityの製品とサービスに関するソリューションページもご覧ください。

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著者について

Jay Kelley
Jay Kelleyプロダクトマーケティング担当シニアマネージャー | F5

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