アジア太平洋地域有数の大手テクノロジー企業にとって、アプリケーションデリバリとデータセキュリティは、ビジネスの成功を支える基盤です。200を超えるITアプリケーションでAPIの利用が急増し、人工知能(AI)によるデータ処理への新たな需要も生じる中、同社はITエコシステムとインフラストラクチャをモダナイズする必要がありました。
リスクの軽減とこの変革を支援するため、このテクノロジープロバイダーはF5への投資を拡大し、F5 BIG-IPの導入環境をモダナイズするとともに、F5 Distributed Cloud Servicesを活用して広範なAPI脅威領域を可視化しました。これらのソリューションは、F5 Application Delivery and Security Platform (ADSP)の一部として、AIデータ配信のためのセキュアでガバナンスの効いた基盤の確立に貢献しました。
その結果、ミッションクリティカルなデジタルサービスの提供と将来のイノベーションの加速を支える、レジリエンス、可観測性、セキュリティに優れたプラットフォームが実現しました。
“F5とのパートナーシップにより、この組織は、確信を持ってモダナイゼーションを進め、正確かつ完全なAPIインベントリを維持し、今後AIの取り組みを拡大する際のリスクを軽減するのに役立つプラットフォームアプローチを確立しました。”
広範に拡大するAPI環境の保護
この組織にとって、急速に拡大するAPIエコシステムを管理下に置くことは、喫緊の優先課題の1つでした。200を超えるITアプリケーションを運用する同社は、外部(North-South)と内部(East-West)のいずれにおいても、APIの脅威対象領域を十分に可視化できず、対応に苦慮していました。さらに、新しいエンドポイントが絶えず追加・更新され、脅威の状況が変化し続ける中、セキュリティを適用し、監視を維持するために必要な機能も不足していました。
この組織には、既存の運用を中断することなく、APIを自動検出し、トラフィックを継続的に監視して、保護を適用できるソリューションが必要でした。
長年にわたり信頼されてきたF5基盤を活用
10年以上にわたってF5を利用してきたこのテクノロジー企業は、Azure上のワークロードを支える仮想エディションを含め、グローバルなアプリケーション環境全体でF5 BIG-IPを幅広く活用していました。長年にわたり培われた厚い信頼を背景に、モダナイゼーションを進める同社にとって、F5は戦略的パートナーとして自然な選択肢となりました。
標準的なインフラ更新として始まった取り組みは、ほどなく、より広範な戦略的イニシアチブへと発展しました。このお客さまは、以下に投資することでF5ソリューションの活用を拡大しました。
- 新しいF5 rSeriesハードウェアアプライアンスとBIG-IP Virtual Editionsを併用してBIG-IPテクノロジーを刷新し、パフォーマンス、継続性、長期的な拡張性を強化。
- サイロ化した異種データソースに対応し、社内のAI実験および本番ワークロードにデータを供給するデータパイプラインの品質、ガバナンス、レイテンシーを改善するためのAIデータデリバリーの実現。
- Webアプリケーションファイアウォール(WAF)とAPIの検出および保護機能を備え、拡大するAPIエコシステムを全社のハイブリッドマルチクラウド環境全体でシームレスに管理、保護、監視するF5 Distributed Cloud Services。
これらの戦略的投資を組み合わせることで、既存環境を保護し、アーキテクチャの制御を維持しながら、モダナイゼーションを一貫して進める道筋が整いました。
統合された柔軟なプラットフォームアプローチ
競合ベンダーではなくF5の採用範囲を拡大するという決定には、複数の要因が影響しました。APIとクラウドセキュリティのニーズに対応するソリューションを評価する中で、同組織はベンダーやツールの乱立を避けたいと考えていました。APIセキュリティまたはクラウド配信のみに注力し、同社にとって不可欠なオンプレミスハードウェアとローカルトラフィック管理のニーズに対応していない競合ベンダーは、最終的に候補から除外されました。
F5は、単一ベンダーによるプラットフォームソリューションの提供に一貫して取り組みました。広範な概念実証テストを通じて、F5は以下の機能を提供することで優位性を実証しました。
- カスタマーエッジ(CE)ノードを介して、同社の既存のBIG-IP環境とより容易にアウトオブバンド統合できます。
- より充実したAPI検出結果、可視性、インサイト。
- アプリとAPIに対する脅威に対応する、より堅牢で効果的なWebアプリケーションおよびAPI保護(WAAP)の仕組み。
F5は、同組織の既存の運用環境に対応することで、CIOのチームが引き続き社内のBIG-IP環境を管理できるようにすると同時に、セキュリティチームがAPIセキュリティにF5 Distributed Cloud Servicesを活用できるようにしました。今後、同社はこの導入範囲をクラウド環境全体に拡大し、共通のクラウドセキュリティファブリックを構築する予定です。
AIイニシアチブでインサイト獲得までの時間を短縮
アプリケーションとAPIのセキュリティにとどまらず、このモダナイゼーションの取り組みでは、同社がAI活用に向けて準備を進めるうえで重大なボトルネックとなっていたデータ配信にも対処しました。F5を活用してデータの取り込み、処理、配信の各パイプラインを効率化することで、データ品質のばらつきやレイテンシに関する課題を克服しました。
AIデータデリバリーソリューションは、モデルのトレーニング、推論、分析、レポート作成に必要な、安全でガバナンスが確保された高性能なデータアクセスを実現し、社内のAIイニシアチブを支援します。こうしたデータ運用の最適化により、インサイト獲得までの時間、モデルの精度、業務全体の効率が大幅に向上すると期待されています。
次なる時代に向けたモダナイゼーション
このテクノロジープロバイダーによるF5への投資は、より広範な事実を裏付けています。組織が重要なアプリケーション環境とデータ環境のモダナイゼーションを目指す際には、アーキテクチャの変更を強いることなく、セキュリティとデリバリーを向上させる包括的なソリューションが必要です。
F5とのパートナーシップにより、この組織は、確信を持ってモダナイゼーションを進め、正確かつ完全なAPIインベントリを維持し、今後AIの取り組みを拡大する中でリスクを軽減するのに役立つプラットフォームアプローチを確立しました。
プラットフォームアプローチの力について詳しくは、F5 Application Delivery and Security Platform (ADSP)のWebページをご覧ください。また、F5のデモセンターでは、これらの強力なソリューションの実際の動作をご確認いただけます。
著者について

関連するブログ記事

F5 Distributed Cloud CDN:アプリを高速化、ワンクリックで有効化、コストを削減
F5 Distributed Cloud CDNなら、既存のセキュリティポリシーを変更することなく、ワンクリックでアプリを高速化し、オリジンの負荷とエグレスコストを削減して、コンバージョンを向上できます。

F5 BIG-IP v21.1を先行紹介:AIセキュリティ、PQC、ソフトウェアの機能強化
F5のBIG-IP v21.1がAIセキュリティとPQC対応への準備をどのように実現するかをご紹介します。
新しいAI AssistantでGuardrailsを高度化し、セキュリティを強化
F5の新しいAI Assistantは、AI Guardrailのカスタムスキャナー機能に直接組み込まれています。この機能により、企業はGenAIを活用して、自社固有のユースケースや独自のリスクプロファイルに沿ったポリシーを作成し、標準搭載の保護機能を超える対策を実現できます。
EU AI Actへの準拠がより容易に
AIシステム全体でEU AI Act、特に最も重大な禁止事項を運用に落とし込むには、どうすればよいのでしょうか。GenAIを導入するチームにとって、Article 5の「禁止されるリスク」に関する規定への対応には特有の課題があります。操作的な行為、生体認証による監視、ソーシャルスコアリングなど、最も重大な違反の多くは、従来のセキュリティツールでは容易に検出できないためです。F5のAI […]
AIレッドチームに欠けているものと、その改善方法
レッドチーミングは長年にわたり、企業セキュリティの要となってきました。しかし生成AIに関しては、多くの組織が新たな脅威環境に旧来の手法を適用しています。静的なプロンプトテスト、単発の監査、CLIベースのツールでは明らかな不具合を発見できる場合もありますが、導入後の生成AIシステムの挙動が持つ現実世界の複雑さを捉えられることはほとんどありません。 […]
欧州連合の人工知能法
AIが国際ビジネスのあり方を変える中、欧州連合の人工知能法(EU AI Act)は、AI技術の進化における重要な節目となっています。27か国で法制化されたこの重要な規制枠組みは、AIの利用を予定するあらゆる企業や組織に影響を及ぼし、AIシステムのあり方を形作ることになります。[…]