データがサイロ化し、S3、SaaS、オンプレミスに分散していると、AIモデルは必要なデータを十分に得られません。現在広く採用されている解決策の1つがNetAppの活用です。Cloud Volumes ONTAP、BlueXP、SnapMirrorを通じて、これらすべてのデータをクレンジング、正規化、レプリケーションします。これにより、課題の1つを解決できます。
2つ目の課題はネットワークです。多くのマルチクラウド施策がここで行き詰まります。そこで、Equinix Edge Marketplaceを通じて提供されるF5 Distributed Cloud Services Customer Edge(CE)が、戦略的な(まるで魔法のような)インフラストラクチャとなります。
ネットワークを標準化
NetAppは、統合データサービスとレプリケーションを提供します。しかし、レプリケーションが脅威のあるマルチクラウド間の境界を自動的に越えられるわけではありません。オンプレミスからAWS、AzureからGCPに至るまで、各接続を構成し、保護し、拡張できるようにする必要があります。組織は、ルーティングの不整合、ベンダー固有のVPN、把握されていないパイプライン、クラウド間の構成のずれといったネットワークの脆弱性を見過ごしがちです。
そこで活躍するのがEquinix Fabricです。グローバルな相互接続レイヤーとして、パブリックインターネットの不安定さを回避しながら、クラウド、SaaSサービス、コロケーションデータセンター間で一貫したプライベート接続を実現します。
しかし、制御を伴わない接続性では、コンプライアンスは形骸化してしまいます。そこでF5のアプリケーションデリバリおよびセキュリティサービスが、一貫したポリシーを適用し、レプリケーションフローをセグメント化するとともに、設定ミスや攻撃対象領域の露出からモデル読み込みパイプラインを保護します。
各要素の連携
- Equinixは、クラウドやリージョンをまたいで、プライベートで一貫したレイヤー3(L3)接続を提供します。
- F5は、各ホップに戦略的な制御を組み込みます。具体的には、L3ポリシー、クォータ、トークン検査、トラフィックのセグメンテーション、オブザーバビリティです。
このアーキテクチャにより、トラフィックが推論エンドポイントや大規模言語モデル(LLM)リポジトリに到達する前に、ネットワークエッジに制御機能を組み込むことができます。
The F5 Application Delivery and Security Platformは、あらゆる組織がネットワークを標準化するために必要なアプリケーション、ネットワーク、セキュリティの各サービスを統合します。NetAppがデータアクセスを標準化するのと同様に、F5はスタックの最下層から最上層までネットワークを標準化します。
- 機密性の高い推論エンドポイントに到達する前に、L7トラフィックを終端して検査します。AIセキュリティには、バイアス検出、インジェクション防止、コンプライアンスチェックを迅速に行う必要があります。Equinix Edge MarketplaceのF5 Distributed Cloud CEを利用することで、これらすべてをインラインで、レイテンシを最小限に抑え、ポリシーに対応した形で実現できます。従来のファイアウォールでは不可能です。
- AWS、Azure、GCP、さらにはOracle Cloudにわたって一貫したポリシーを適用します。企業の53%がポリシーの不整合をマルチクラウドにおける課題として挙げるなか、標準化によって混乱を未然に防げます。F5は環境間でセキュリティポリシーを統一し、ポリシー実装における不一致やギャップが生じる可能性を低減します。
- データレプリケーションのレートを制限し、ヘッダーを書き換え、すべてのエントリーポイントで認証を検証します。適用ポイントを外側に広げることで、バーストトラフィックによるダウンストリームサービスの過負荷や、安全でないエンドポイントの露出を防ぎます。F5は、最新のアプリケーションデリバリーおよびセキュリティプラットフォームにおいて、プログラマビリティは重要な機能であると考えています。これにより、ゼロデイ脆弱性の緩和、カスタムポリシーの適用に加え、コンプライアンス、デリバリー、地政学的要件に対応するための個別機能を実現できます。
- ロギング、トークン検査、分析をインラインで組み込みます。金融や医療など、規制対象となるAIのユースケースでは特に重要です。監査に対応できる可視性は、後付けではなく標準のアーキテクチャとなります。コードを変更したり、高コストのエージェントを導入したりすることなく、アプリケーションとエンドポイントに計測機能を組み込めます。
これは、ガバナンスの境界を尊重した高速かつセキュアなルートを通じて、検索拡張生成(RAG)アーキテクチャを拡張する場合にも当てはまります。
実環境での効果
グローバルな金融サービス企業がパートナーのアプリを連携する場合でも、医療機関が地域をまたいで医療記録を同期する場合でも、得られる効果は共通しています。
- 運用オーバーヘッドを削減。クラウドごとにVPNが乱立したり、ファイアウォールルールに不整合が生じたりすることはありません。
- ガバナンスの向上。すべてのフローがログに記録され、トークンがチェックされ、ポリシーとの整合性が確保されます。
- 推論に基づくAIへの信頼。 RAGモデルは、データリネージと監査可能性を維持しながら、安全に動作します。
インテリジェントなデータレプリケーションを、F5のエッジ対応型のポリシー適用機能およびEquinix Fabricと組み合わせることで、ハイブリッド環境全体でAIを運用できます。これにより、AIは単に「クラウドに隣接」する存在ではなく、ガバナンスが確保された、拡張性の高いクラウド非依存のアーキテクチャへと進化します。
データストアが分散し、LLMが大量のリソースを必要とする時代に、複雑さを増すことなくコンピューティング能力を拡大する方法がこれです。
詳細については、F5 and EquinixのWebページをご覧ください。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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