医療機関のリーダーとそのテクノロジーチームは、電子健康記録(EHR)の保存と管理に向けて、クラウドベースのエコシステムを慎重に導入しつつあります。こうした技術の進歩を理解して活用する一方で、増大するサイバー脅威と厳格な規制要件を背景に、機密性の高い患者データを保護しなければなりません。このような日々の運用実態から、患者ケアと業務の継続性、ならびにデータの完全性を確保するためのセキュリティプロトコルと革新的なソリューションの必要性が浮き彫りになっています。
EHRの利便性と保護の両立について検討するため、F5、Google Cloud、Epicの専門家を招き、ウェビナー「医療EHRのクラウド移行におけるメリットとセキュリティ上の考慮事項」を開催しました。各社の専門家が知見を共有し、サイバーセキュリティと患者からの信頼を強化するソリューションや技術連携について議論しました。
サイバー犯罪者によるEHRの脆弱性悪用で高まるリスク
医療分野は、絶え間ないサイバー脅威にさらされており、過去3年間でデータ侵害の件数は2倍に増加しています。1 この急増は、医療分野が依然としてサイバー犯罪者の主要な標的であるという厳しい現実を浮き彫りにしています。
侵害や攻撃がもたらす影響は、データ損失だけではありません。手術の中止、入院期間の長期化、さらには救急搬送先の変更など、業務がまひする事態にもつながります。また、多くの組織が依然として旧式のテクノロジーやインフラに依存しているため、内部のセキュリティにも課題があります。さらに、こうしたエコシステムに新たなテクノロジーを統合する際の複雑さにも対処しなければなりません。設定ミスを防ぐことも不可欠です。ユーザーアクセス制御の不適切な設定、誤ったネットワーク構成、不十分なセキュリティ設定は、データ侵害、システム停止、規制基準への違反につながる可能性があります。
取るべき行動は明確です。医療機関は、包括的かつプロアクティブなサイバーセキュリティ戦略を最優先にする必要があります。F5、Google Cloud、Epicの連携は、サイバー脅威を先回りする革新的なソリューションの提供に業界が注力していることを示しています。
パートナーシップの力でEHRセキュリティを強化
F5とEpicのパートナーシップは、医療分野のセキュリティ、可用性、パフォーマンスの向上に対する共通の取り組みに基づいています。F5のWebアプリケーションファイアウォール(WAF)ソリューションは、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング、その他のOWASP Top 10の脅威を含む、さまざまなWebベースの攻撃からEpicアプリケーションを保護するのに役立ちます。また、F5は信頼できるプラットフォームとしてEpic Honor Rollに選出されており、F5ソリューションは次の機能を提供します。
- F5 BIG-IP Advanced WAFでEHRのセキュリティを強化
- F5 BIG-IP Application Services Templates (FAST)のF5テンプレートを使用して、設定ミスのリスクを軽減
- F5 BIG-IP Local Traffic Manager(LTM)とF5 BIG-IP DNSにより、スケーラビリティと可用性を向上
F5により、分散環境やハイブリッドクラウド環境で稼働するEpicアプリケーションに不可欠なグローバル脅威インテリジェンスレイヤーが提供され、F5の行動分析を活用して新たな脅威からプロアクティブに保護できます。
Google Cloudのインフラストラクチャとサービスは、この保護をさらに強化します。HIPAAに準拠した環境により、患者データを安全に保ち、権限を持つ医療従事者が容易にアクセスできるようにします。世界のデータの30%を生み出し、その量が2025年までに製造業と金融サービス業を上回ると予測される医療業界にとって、これは極めて重要です。2
2021年に提供を開始したGoogle Cloud Healthcare Data Engineは、さまざまなシステム間の相互運用性とリアルタイムのデータ統合をサポートし、HIPAAへの準拠を確保します。Epicを含む複数のソースのデータを接続するための、セキュアで相互運用可能なプラットフォームを提供します。
F5のセキュリティに関する専門知識を活用することで、この提携は、医療データの相互運用性が高まり、プラットフォーム間での移動が進んでも、データが保護され続けるようにします。これらのテクノロジーを組み合わせることで、技術的に高度で、本質的にセキュアな医療体験の提供を目指します。
安全で利用可能なEHRデータとAIで、より質の高い医療を提供
膨大なデータの管理とセキュリティ確保は容易ではありませんが、適切に行えば可能性は無限に広がります。Epic EHRアプリケーションとGoogle Cloud Healthcare Data Engineを組み合わせることで、患者ケアの向上に向けた新たな機会が生まれます。
- 人工知能(AI)による個別化治療:AIは膨大なデータセットを分析することで、患者一人ひとりに合わせたケアを可能にし、予測的な知見に基づく先回りした治療と健康転帰の改善を実現する、医療の新時代を切り開きます。
- 患者データのリアルタイム分析: AIが患者記録をリアルタイムで分析し、医療従事者に即時のインサイトを提供することで、意思決定と患者ケアの連携を強化するとともに、自動化とリソースの最適化を通じて業務効率を向上させます。
- 医療イノベーション:AIはイノベーションの触媒として、創薬や新たな治療選択肢の開発を推進します。さらに、エビデンスに基づく推奨事項を提示する臨床意思決定支援システムが、こうした取り組みを支えます。
- 集団健康管理におけるAI:AIは傾向とリスクを特定して集団の健康状態を明らかにし、地域社会全体の健康アウトカム向上が期待される、対象を絞った介入への道を開きます。
F5、Google Cloud、Epic EHRで臨床の質を向上
医療において、疾患の管理と同様にデータ管理が重要となる中、リーダーはEHRを安全かつ効率的に管理するため、クラウドベースのソリューションを採用しつつあります。
F5のセキュリティおよびアプリケーションデリバリソリューションは、Google Cloudと連携して高度なインフラストラクチャおよびセキュリティサービスを医療ITチームに提供し、サイバー脅威に対する強固な防御線を構築します。エッジセキュリティサービスは、サイバー攻撃がコアインフラストラクチャに到達する前に、動的かつ堅牢な防御メカニズムによってEHRアプリケーションを保護します。
さらに、F5ソリューションはクラウドに依存せず、マルチクラウド環境やハイブリッド環境とシームレスに統合できるため、インフラストラクチャの構成を問わず、一貫したセキュリティプロトコルを維持できます。これにより、Epicアプリケーションがオンプレミスからクラウドまで多様なプラットフォームで稼働する場合でも、F5とGoogle Cloudが提供する堅牢で統一されたセキュリティフレームワークによって、より良い医療に欠かせない重要なヘルスケアアプリケーションを保護できます。
詳細については、こちらの動画をご覧ください:医療EHRのクラウド移行におけるメリットとセキュリティ上の考慮事項。
F5とGoogle CloudおよびEpicとの連携について詳しくは、f5.com/Epicまたはf5.com/gcpをご覧ください。
出典:
1 米国保健福祉省、2022年医療サイバーセキュリティ年次レビュー、2023年2月
2 IDC、『Data Age 2025: The Digitization of the World from Edge to Core』、2018年
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