利用するすべてのリージョンやクラウドに分散した複数のDMZで、WebアプリケーションおよびAPI保護(WAAP)サービスを今も運用しているなら、やめるべきです。(まだ)機能していないからではありません。コストが高く、複雑さが増すうえ、率直に言えば、マルチクラウドの時代には時代遅れだからです。
ワークロードがモノリシックで、トラフィックが1か所にとどまっていた時代には、各リージョンのチョークポイントにファイアウォール、WAF、ボット対策、TLS終端、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃の緩和といった境界制御(いわゆる従来型DMZ)を導入する旧来のモデルにも合理性がありました。しかし、現在の実情には合いません。
現在、アプリは分散し、API間では頻繁に通信が発生しています。トラフィックは南北方向だけでなく、東西方向にも流れます。さらに、インフラに「新たなDMZ」を継ぎ足すたびに、コストや冗長性、運用負荷が積み重なり、NetOpsチームとSecOpsチームは、それらを応急処置でつなぎ合わせ、問題なく機能しているように取り繕わなければなりません。
これは決して問題のない状態ではありません。その理由をご説明します。
セキュリティを一元化すべき理由
そこで登場するのが、EquinixとF5 Distributed Cloud Services Customer Edge(CE)です。両者を組み合わせることで、境界セキュリティサービスを一元化し、グローバルに分散させ、エッジで接続するという、よりスマートなアーキテクチャを実現できます。これは単なるセキュリティではありません。エッジを司令塔としてマルチクラウドを自在に管理する、未来の姿です。
すべてのクラウドリージョンや拠点に同じスタックを複製する代わりに、Equinix Edge MarketplaceのDistributed Cloud CEを使用して、戦略的に接続されたEquinixのポイントオブプレゼンス(PoP)に一度構築するだけで済みます。
これが新しいDMZです。境界は1つ。複数のクラウドを一元的に制御できます。
Equinix Fabricは、すべての主要クラウドプロバイダーとのプライベートかつ低遅延の相互接続を提供します。Distributed Cloud CEは、マルチクラウドとサービスメッシュを全面的にサポートし、これらのエッジノードに導入できるクラウドネイティブサービスとしてWAAPを提供します。これにより、次のメリットが得られます。
- グローバルな複雑化を招かずにグローバル規模へ拡張:1つのWAAP環境を導入するだけで、4つの個別スタックを運用したり、クラウド固有の回避策を構築したりすることなく、AWS、Azure、GCP、オンプレミスにまたがるアプリを保護できます。
- 冗長性の削減:同じポリシーと保護ロジックをN個用意して維持する代わりに、それらを一元化し、ネットワーク経由でトラフィックを集約できます。マルチクラウドモデルにおいて、一貫性のないセキュリティポリシーが依然として大きな悩みだとF5に回答した組織の53%に該当する場合、このアプローチは魅力的でしょう。
- パフォーマンスの向上:Equinixから主要なすべてのクラウドリージョンへのレイテンシは10 ms未満です。これは、同一クラウドリージョン内のほとんどのトラフィック経路よりも高速で、ローカル帯域幅を消費しません。
- 実質的なコスト削減: セキュリティサービスのために各リージョンでコンピューティングリソースを立ち上げる必要はありません。トラフィックを無秩序に転送するために、クラウドごとのエグレス料金を支払う必要もありません。すでに人員が限られているNetOpsチームやSecOpsチームに、自前で境界防御をつなぎ合わせる負担をかけることもありません。
According to Equinixの2024 Global Interconnection Indexによると、集中型エッジインターコネクトを活用する企業では、インターコネクトの複雑さが最大49%軽減され、リージョン間のパフォーマンスの一貫性が30%向上しました。これは、あれば便利という程度のものではありません。進むべき道を示す青写真です。
何を標準として採用するかが重要
F5プラットフォームは、ネットワーク、セキュリティ、アプリケーションの各サービスを、グローバルに分散されたAPI駆動型サービスとして提供できるように構築されており、パブリッククラウド、エッジ、コロケーション施設内、オンプレミスに導入できます。Distributed Cloud CEは、単に既存のWAFをそのまま移行するものではありません。以下を含む、フルマネージドのクラウドネイティブなエッジスタックです。
- WAAP(WAF、ボット対策、API保護、DDoS攻撃の緩和)
- サービスメッシュ統合
- 多層的なオブザーバビリティ
- クラウドとエッジ全体で一貫したポリシーとセキュリティ態勢
エッジ向けに構築されたプラットフォームに標準化することで、冗長性を減らすだけでなく、これまで「そうは言っても」という理由で採用できなかったアーキテクチャパターンも実現できるようになります。
クラウドワークロードにトラフィックが到達する前に、セキュリティポリシーを適用できるようになります。これにより、そもそも正当でないリクエストに対するエグレスコストやコンピューティングコストは発生しません。エッジですべてを処理し、TLS終端とトラフィック検査をそれぞれ1回行うだけで、ゼロトラストやアプリの挙動に基づいてルーティングできます。そのためだけに、内部ネットワークを5つのホップと3つのDNSゾーンにまたがって経由させる必要もありません。
EquinixとDistributed Cloud CEで制御を取り戻す
WAAP戦略で、3つのクラウドと2つのデータセンターにまたがる5つのDMZを管理しているなら、それはセキュリティアーキテクチャではありません。単なる保守計画です。
Equinix + Distributed Cloud CEを使用して境界を一元化することで、コストと複雑さを軽減できるだけでなく、分散と断片化が当たり前となった環境でも制御を取り戻せます。これが、実際に拡張可能なマルチクラウドセキュリティを構築する方法です。
トラフィックを追いかけるのではなく、エッジを掌握しましょう。「多数のDMZ」モデルから脱却し、重要なポイントに集約するときです。運用チームの負担もコストも軽減できます。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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