攻撃は、インターネットを介する他のトラフィックと同様、ある程度予測できます。週末明けの月曜朝にはログインが集中し、放課後には子どもたちがオンラインゲームにログインするため、トラフィックが急増します。休暇シーズンには、買い物客がオンラインで「理想の贈り物」を懸命に探すことで増加します。研究者は季節や業界に関連するパターンを特定しており、セキュリティ担当者も長年にわたってそれを予測してきました。
しかし、2020年はこうした傾向に反し、DDoS攻撃は例年のように季節的に減少するどころか、増加したことが報告されています。具体的には、2020年第2四半期には1日あたりの平均攻撃件数が増加し、4月9日には1日あたり約300件に達しました。第1四半期の1日あたりの最多記録は242件でした。この異例の増加は、リモートワークへの急激な移行が原因とされています。
新たなDDoS攻撃パターンが出現している一方で、インフラストラクチャ層に対するDDoS攻撃は、依然としてDDoS攻撃であることに変わりはありません。いわば「従来型」の攻撃です。変化しているのは、分散型の勤務体制に伴う攻撃対象と攻撃機会です。
5Gネットワークの普及に伴い、新世代のハイパースケールDDoS脅威が出現することへの懸念が現実のものとなっています。リモートかつ分散した働き方が恒常化しつつある中、アプリケーションの可用性とパフォーマンスを維持するという課題は深刻さを増しています。その戦略的な解決策としてエッジがますます注目されるにつれ、こうした懸念も一層高まっています。
これは存続に関わる課題です。リモートワーカーの15%以上が接続の問題を毎日経験しており、半数以上(52%)が毎月問題に直面しています。(Waveform、2020年4月レポート)2020年にCIOが直面した最大の課題は、アプリケーションパフォーマンス(66%)とネットワークの信頼性(63%)の維持でした。(Catchpoint、CIO New Normal Survey、2020年) 消費者も、急速にデジタルファースト(またはデジタルのみ)のモデルへ移行した公益事業、銀行、小売、外食産業のアプリケーションについて、接続性、パフォーマンス、可用性という同様の課題に直面しています。大規模な攻撃によってこうした不満がさらに深刻化する可能性は、決して軽視できません。
こうした攻撃はすでに圧倒的な規模に達しています。2019年のDDoS攻撃の平均規模は12 Gbpsであり、増大する脅威に対処するには新たなテクノロジーが必要です。しかし、スペースとリソースには依然として制約があります。エッジ環境は、遠隔地にある携帯電話基地局の下部に設けられた設備室である場合もあります。データセンターのように恵まれた設置環境ではありません。エッジコンピューティングには、スペース上の制約があり、遠隔地に配置されるという特性もあるため、従来の「ハードウェアを追加して問題に対処する」アプローチは現実的ではありません。
最新のアプローチでは、この問題に対してよりスマートなハードウェアを投入します。
専用ハードウェアで高速化するソリューションの市場は、すでに拡大しています。新興のAIおよびML分野では、より高速で高度な分析に必要な複雑な数学的計算をGPUが高速化しています。ネットワーク分野でも、FPGAを活用した同様のアプローチが見られます。Intel PAC N3000はそのようなデバイスの1つであり、F5は10年以上にわたるFPGAプログラミングの専門知識を活用して、受信するDDoS攻撃をより効率的にブロックできるようになりました。
当社のソリューションをソフトウェアのみの選択肢と比較したテストでは、FPGA対応の選択肢が最大で300倍の規模のDDoS攻撃に耐えられることが示されました。
さらに、このソリューションは一般にSmartNICと呼ばれるものを活用するため、ラックスペースやハードウェアを追加する必要がありません。専用ハードウェアを用意しなくても、ハードウェア支援型ソリューションのメリットを得られます。そのため、働き方の変化や継続的な5G展開に伴うトラフィックの急増に直面しているサービスプロバイダーに、より適しています。
NICと組み合わせて使用できるソフトウェアという選択肢は、スペースやリソースの制約により大規模なハードウェア導入が現実的でないエッジ拠点への導入にも、はるかに適しています。
インターネットのエッジ、つまり家庭や、今や職場にもなりつつある場所でのパフォーマンスと信頼性は、今後も課題であり続けます。こうした従来からの問題に対処するには、新たなアプローチが必要です。よりスマートなハードウェアを活用し、リソースに制約のあるエッジ拠点でソリューションを拡張することも、そのアプローチの1つです。
F5がエッジでセキュリティをスケールさせる方法について詳しくは、こちらのブログをご覧ください。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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