遅いことは、新たなダウンです

F5エコシステム | 2020年9月14日


お客さまからは、「遅いことは、今やダウンしているのと同じだ」という声が寄せられています。現代のアプリケーションのオーナーや運用担当者の多くにとって、アプリケーションのパフォーマンスが低いことは、ダウンしていることと同じくらい深刻です。FAANG企業が一貫して優れたパフォーマンスを提供してきたことで、消費者はそれを当然と考えるようになりました。そのため、他のソフトウェアを利用する消費者も同様の期待を抱き始めています。特に、競争の激しい市場で競合他社が優れたユーザーエクスペリエンスを提供している場合はなおさらです。

お客さまからは、パフォーマンスが遅い状態は、完全に停止している状態よりも悪い場合が多いという声さえ寄せられています。動きそうで動かず、何度も再試行しなければならない状況は、単に機能が利用できない場合よりも大きなストレスになります。たとえば、Voice over IPを利用できなければ携帯電話や固定電話に切り替えられますが、通話品質が悪いと、双方が何度も聞き返したり言い直したりしなければなりません。

顧客体験に対する期待に応えることの重要性は、業界を問わず広く認識されています。小売業界を対象とした2020年の調査では、回答者の約3分の1(32%)が、顧客体験の向上をデジタル分野における最優先事項として挙げています。また、71%超が、デジタルトランスフォーメーションの取り組みによって短期的に実現したい最も重要なビジネス成果として、顧客体験の向上を挙げています。

もちろん、運用担当者もビジネス上のステークホルダーも、ユーザーを重視しています。それでもパフォーマンスの低下が対処されない理由の1つは、何が「遅さ」の原因なのか、また自社のようなアプリケーションにとって「遅い」とはそもそも何を意味するのかを把握できていないことです。こうした可視性の欠如は、何も測定していないことが直接の原因となっている場合もあります。

Turbonomicの調査で、この現象が明らかになっています(強調は引用者による):「回答者に、所属組織でアプリケーションパフォーマンスをどのように測定しているかを尋ねたところ、60%以上が何らかの形で測定しているという心強い結果が得られました。しかし、最も一般的な方法は可用性の測定であり、通常は応答時間やトランザクションスループットの形式で設定されるサービスレベル目標(SLO)に基づく管理ではありませんでした。13%はアプリケーションパフォーマンスをまったく測定していません。」

しかし、測定している組織を評価する前に、何を測定しているのかに注目してください。実際にパフォーマンス測定で最も一般的な方法は、可用性を測定することでした。可用性は、稼働しているか停止しているかを示す指標です。応答が速いか遅いかを示す指標ではありません。もっとも、そうあるべきだという議論だけで、ブログ記事を1本(あるいはそれ以上)書けるでしょう。

しかし、実際にはそうなっていません。その理由の1つは、ビジネスコストを測定できるかどうかにあります。ダウンタイムによる財務上の影響については、十分な資料があり、組織全体に及ぶコストの詳細な内訳を示す情報源も複数あります。では、パフォーマンスについてはどうでしょうか。利用中止やソーシャルメディアでの否定的な反応といったユーザーの行動を取り上げた調査はいくつかあります。しかし、企業が実際に負担するコストに関する情報は、ほとんどありません。

Esteban Kolsky氏によると、顧客の72%は、良い体験を6人以上に伝えます。一方、不満を感じた顧客の13%は、その体験を15人以上に伝えます。

現在のパフォーマンス測定における問題は、概して「遅さによるコストではなく、ダウンタイムによるコストを測定している」と要約できます。人は測定対象となる指標の改善に取り組む傾向があります。これは新しい考え方ではありません。実際、DevOpsの基本原則の1つであり、この手法で最も重要な要素へと測定対象を移行する理由でもあります。F5は、絶対的な尺度での測定を支援するだけでなく、他のアプリケーションのデータとの相対比較も支援する予定です。これにより、エンドユーザーが類似する他のアプリケーションを利用する場合と比べて、お客さまのアプリケーションをどのように体験しているかを把握できます。

最も重要なのは、エンドユーザーの期待に応えることです。現在では、単に利用できるだけでなく、高速で信頼性が高いことも求められます。F5は、エンドユーザー体験に関するデータや可視化だけでなく、次のような自然言語によるインサイトも提供し、アプリケーション所有者を支援する予定です。「週末に本番環境へ反映した変更により、エンドユーザーの通常の月曜朝の体験が向上しました。よくできました!」または「ニューヨークのChromeユーザーの体験は、4日後には同種の銀行アプリケーションの平均を下回ると予測されています。AWS US EastのNGINXロードバランサーに適用することを推奨する、ロードバランシングポリシーの変更内容はこちらです。ご自身で変更するか、こちらをクリックしてF5に変更を任せることもできます。」

次のような疑問への答えをお求めの場合:

  • 「エンドユーザーは全体として良好なエクスペリエンスを得られているか?
  • 自社のアプリケーションと類似するアプリケーションと比べて、エンドユーザーの体験はどうでしょうか?
  • サポートチームが監視できるように、適応型のエンドユーザーエクスペリエンスを反映した、アプリケーションのシンプルな健全性指標を公開できますか?
  • エンドユーザーエクスペリエンスを向上させるには、どのような対策を講じればよいですか?
  • エンドユーザー体験を維持しながらコストを削減するには、どうすればよいですか?
  • 好ましくない体験をしたエンドユーザーは離れてしまうのでしょうか。それとも戻ってくるのでしょうか?」

……今後の記事でさらに詳しくご紹介しますので、ぜひご期待ください。

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