Diameterロード バランサは、ネットワーク内の複数のサーバにシグナリング トラフィックを分散させます。このロード バランシング機能は、サービス プロバイダ(SP)が高いスケーラビリティと可用性を実現するために不可欠です。

ネットワークの稼働時間を拡張し、確保する能力は、ネットワークと加入者数を拡大する上で重要です。これを実現する最も費用対効果の高い方法は、データ トランスポート層ではなく、Diameterコントロール プレーンを拡張することです。

ただし、SPがコントロール プレーンを拡張するには、以下のような重大な課題を克服しなければなりません。

  • LTEやIMSなどのデータやサービス中心の高度なネットワークがもたらす、データ トラフィックの増加に対処する。
  • 新しいサービス、ポリシー施行、新しい課金モデルがもたらす、シグナリングの増加に対処する。
  • コントロール プレーンがネットワーク機能に細分化され、その数が増え続ける状況に対処する。

これらの課題を解決するには、Diameterロード バランサを使用する必要があります。

SPがコントロール プレーンのトラフィックとシグナリングをうまく管理するには、スケーラビリティが制限されない柔軟なソリューションを実装する必要があります。BIG-IPは、ネイティブのDiameterセッション指向のロード バランシング技術を使用し、さまざまなロード バランシング ポリシーに基づいて、Diameterシグナリング トラフィックを複数のサーバに分散させます。

BIG-IPにより、SPは、高度なDiameterセッションの持続性、Diameterサーバのフェイルオーバー認証、動的なフロー制御、透過的なトラフィック再分配など、レイヤ4~7の包括的なロード バランシング ソリューションを実装することで、スケーラビリティと柔軟性を確保することができます。またBIG-IPは、加入者やサービスを認識するコンテキスト認識型のロード バランシング戦略をサポートし、複数の高度なDiameter双方向ロード バランシング機能を提供します。

BIG-IPロード バランサは、SPに包括的なDiameterシグナリング機能を提供する、より広範なBIG-IPプラットフォームの1つのコンポーネントにすぎません。BIG-IPには、Diameter Routing Agent(DRA)のユース ケースと、Diameter Edge Agent(DEA)のユース ケースも含まれています。