英国労働年金省、NGINX Plusでアクセスを保護し、重要なサービスを監視
労働年金省(DWP)は、福祉、年金、養育費に関する政策を所管する英国政府機関です。DWPのInfrastructure Services Toolingチームは、監視、資産情報の収集、データ分析、バッチスケジューリングなど、IT関連業務向けのIT運用管理システムとツールを提供しています。これらの製品を使用する各チームは、10万人を超えるDWP職員が業務で利用し、数千万人の英国市民がアクセスするDWPのアプリケーションとインフラストラクチャを支えています。Infrastructure Services Toolingチームは、サービス提供の改善を担う独立部門として、クラウドネイティブの手法とアジャイル開発方法論を採用し、DWPのITおよびソフトウェアインフラストラクチャの近代化を積極的に進めています。
ビジネス上の課題
Infrastructure Services Toolingチームには、サービスの稼働状況と品質の監視に不可欠な、機密性の高いバックエンドツールやシステムへ簡単かつセキュアにアクセスする手段がありませんでした。同チームの共同責任者であるDaniel Barella氏は、次のように述べています。「接続を可能にする唯一の方法は、スタッフにより厳格なセキュリティクリアランスを受けさせたうえで、おそらく[実際には]必要のないバックエンド技術へのアクセス権を付与することでした」
最初のユースケースは、DWPのUser eXperience Command Centre(UXCC)を支えるITサービスとシステムを可視化することでした。DWPの稼働中のITサービス運用を24時間365日支えるUXCCには、高い可用性とレジリエンスが求められます。ITサービスおよび運用チームは、暗号化された一般的なWebブラウザから、主要サービスのデータや監視情報にアクセスできるようにしたいと考えていました。
Barella氏は次のように説明します。「ユーザーが必要としているのはデータレポートを表示する手段だけです。そのため、複雑なアクセス手順をすべて踏んだり、より厳格なセキュリティ要件に対応したりしなくても、各種ツールのデータやコンテンツにアクセスできる仕組みが必要でした」
ソリューション
Infrastructure Services Toolingには、オープンソースソリューションを含む新しいテクノロジーを試すうえで、かなりの裁量があります。チームはまず、少数のサービス向けに導入しやすいリバースプロキシとしてF5 NGINX Open Sourceを試用しました。これにより、ユーザーに複数のセキュリティ手順を強いることなく、安全なリモートアクセスをより簡単に提供できるようになりました。
“NGINX製品は、現在利用できるリバースプロキシ技術の中でも特に優れたものの1つです……ユーザーがツールにアクセスする際に、シンプルでシームレスな体験を提供するために導入しました。 ”
Daniel Barella氏、DWP Infrastructure Services Tooling共同責任者
概念実証の成功を受け、チームはインスタンス管理や、より多くのサービスへのアクセス提供など、幅広いユースケースでNGINXを活用できることに気付きました。そこで、サポート、より頻繁なリリース、強化されたセキュリティ、可観測性、管理機能を利用するため、NGINXの商用版である「F5 NGINX Plus」を採用しました。これらの機能には、マルチノード管理、SLAの提供、高可用性アクセスなどが含まれます。
「NGINX Plusを使用すれば、ユーザーは自分のノートPCから非常にセキュアなバックエンドアプリケーションに接続し、シームレスかつセキュアに利用できるようになります」とBarella氏は述べています。
さらなるメリットとして、NGINX Plusは、すべてのサービスメトリクスを収集して表示できる便利な一元管理画面を通じて可観測性を提供するため、ダッシュボードやデータ収集ツールを保守する必要がなくなります。今後、チームはモバイルデバイスからもアクセスできるようにし、ユーザーが場所やネットワーク接続を問わず、24時間365日、サービスの可用性をより簡単に監視、追跡できるようにすることを検討しています。
DWP Infrastructure ServicesチームによるNGINX Plusの導入事例について詳しくは、ポッドキャスト「#09 NGINXによる安全なデータアクセスの実現」をご覧ください。このポッドキャストは、以下のDWP Digitalチャンネルで配信されています。
結果
バックエンド監視システムへのアクセスを容易に
新しいNGINX Plusリバースプロキシにより、バックエンドの監視システムやツールへのアクセスが大幅に容易かつシンプルになり、プロビジョニングや煩雑なアクセス制御の操作にかかる時間を短縮できました。さらに、対象システムの監視とトラブルシューティングをより効果的に行えるようになり、稼働時間とパフォーマンスの向上にもつながりました。
“NGINX Plusを使用することで、ユーザーは各自のノートPCから、セキュリティが非常に強固なバックエンドアプリケーションへ、シームレスかつセキュアにアクセスできるようになります。 ”
Daniel Barella氏、DWPインフラストラクチャサービスツール部門共同責任者
より多くのユーザーにアクセスを拡大
NGINX Plusは導入が容易なため、チームはセキュアアクセス機能をより多くのサービスとユーザーへ迅速に拡大できました。導入プロセスもスムーズで、技術に詳しくないエンドユーザーにとっても使いやすいソリューションであることが実証されました。これにより、新たな層のユーザーが、以前はアクセスが難しかったシステムにノートPCからアクセスできるようになりました。
単一画面で可視性をシンプルに
アクセスの容易化とプロセスの効率化に加え、NGINX Plusシステムのダッシュボードおよびレポート機能により、すべてのサービスメトリクスを1つの画面で幅広く可視化できます。これにより、IT管理チームは、従来モニタリングおよびレポート用ダッシュボードや、こうした課題に対応する社内ソリューションの作成に費やしていた時間を削減できます。
メリット
- F5 NGINX Open Sourceを使用した概念実証により、複雑なセキュリティ要件なしで、簡単かつセキュアなリモートアクセスを実現
- インスタンス管理を含む、より幅広いユースケースにF5 NINGX Plusを活用
- システムとサービスのステータスを監視する単一のダッシュボードにより、可視性が向上
課題
- 機密性の高いバックエンドシステムに簡単かつセキュアにアクセスする手段がなかった
- 必要なセキュリティを維持しながら監視できる、よりシンプルなブラウザベースのポータルを求めていた