Ingress NGINX廃止発表に伴う代替案

はじめに

2025 年11 月11 日、公式に Ingress NGINX の廃止が発表されました。

具体的には2026年3月をもってメンテナンス終了、以降のバグ修正・セキュリティ対応は行わないといった内容でした。また、既存のデプロイは動作し続けるが、ユーザーには別のコントローラやGateway APIへの移行を強く推奨するともございました。クラスタ運用者/プラットフォーム基盤担当者とってはこの発表より将来的なセキュリティ、安定性リスクに不安を抱けれている方も多いかと思います。本記事では以下に関して整理したいと思います。

  1. なぜ Ingress NGINXが廃止となったのか?
  2. 移行の選択肢
  3. なぜ「NGINX Ingress Controller」への移行が優れた選択肢となるか?
  4. 実際の移行手順・注意点

なぜ Ingress-NGINX が廃止となったのか?

Ingress NGINXプロジェクトは非常に多くのクラスタ/ユーザーに使われてきました。一方で、Ingress NGINXは実質 1〜2 名の少人数で長年維持されており、OSS特有のリソース不足が顕在化していました。​

さらに2025年初頭には深刻な脆弱性(IngressNightmare)が発覚し、安全に継続運用するための体制確保が困難となったため、廃止が決定されました。​既存クラスターでIngress NGINXを使っていても、すぐには動かなくなるわけではありません。ただし、新しいバグおよび脆弱性の修正は行われません。

移行の選択肢

セキュリティパッチが出なくなるという点はクリティカルです。外部からのトラフィックを扱うIngress コントローラは攻撃対象になりやすく、脆弱性が放置されると重大事故につながりかねません。また、運用/監視の観点では将来のバージョンアップ、Kubernetes新バージョンとの適合、クラウド/ハイブリッド環境対応などを考えると、メンテナンスが続く製品を使う方が安心であると言えます。様々な選択肢があります。

その中でNGINX Ingress Controllerへ移行、もしくはGateway API を見据えた設計に移行するという点を挙げさせていただきます。

なぜNGINX Ingress Controllerへの移行が優れた選択肢となるか?

NGINX Ingress Controller chart
表 NGINX Ingress Controller/Gateway Fabricの種類


下記にNGINX Ingress Controllerへの移行のメリットを挙げます。

  • 豊富な実績:Kubernetes Ingressの約40%で採用される実証済みのコンポーネント​
  • 学習コストの最小化:これまでの NGINX の知見をそのまま活用可能​
  • Kubernetes ネイティブな設計:モダンで一貫性ある Kubernetes API に準拠​
  • 明確な移行パス:Gateway APIへのスムーズな移行を支援​
  • 商用サポート対応:エンタープライズ要件にも適したサポート体制​


Ingress NGINXとNGINX Ingress Controllerはリソース設計・Ingress リソース構成が完全に同じというわけではありませんが、NGINXをベースとしたKubernetes Ingress コントローラという共通点があります。これにより、移行時の摩擦が比較的少ないことが期待できます。

既存のルール、Ingress/Serviceの配置をそのまま流用できるケースが多く、ゼロから設計し直すというより運用停止リスクを低く移行する選択肢として合理的ではないかと考えます。

2026 年以降メンテナンスのないIngress NGINXに比べ、NGINX Ingress Controllerは明確に継続的に開発&サポートされる体制があり、運用基盤/プラットフォームとして採用する上で安心してご利用いただけます。

また、将来的に Gateway API など次世代仕様を考えた際にも、F5 NGINXであればNGINX Gateway Fabricへの移行も見据えることができる点になります。

実際の移行手順・注意点

Ingress NGINX から NGINX Ingress Controllerへ移行する際に押さえておきたいポイントは

移行ガイドIngress-NGINXからNGINX Ingress Controllerに移行する を参照ください。

まとめ

Ingress NGINXの廃止により、外部公開基盤の安全性と継続運用のためには、早期に代替コントローラへの移行を検討することが不可欠です。本記事ではNGINX Ingress Controllerへの移行に関して紹介しました。移行には一定の準備が必要ですが、2026年3月のメンテナンス終了までに十分な検証期間を確保するためにもぜひ早めの計画策定をおすすめいたします。

関連情報

テクニカルドキュメント(英語)NGINX Ingress Controller ドキュメント

リポジトリ(英語):github.com/nginx/kubernetes-ingress

Docker Image(英語)Docker Hub – nginx/nginx-ingress

移行ガイド(英語)Ingress-NGINXからNGINX Ingress Controllerに移行する

日本語によるIngress NGINX廃止とNGINX Ingress Controllerへの移行に関する資料は こちら です。

本件及びご質問のある方は直接 Japan_NGINXチーム までお問合せください。


F5ネットワークスジャパン合同会社が提供する製品の詳細は下記ページをご覧ください。

https://www.f5.com/ja_jp

https://www.f5.com/ja_jp/products/nginx