SA Power Networks、F5 NGINXaaSでOTクラウドセキュリティを強化

南オーストラリア州の配電事業者であるSA Power Networksは、増加する再生可能エネルギーデータを安全に管理するため、F5 NGINXaaS for Azureを活用して中核となるIT/OTインフラストラクチャをクラウドに拡張しました。この導入により、厳格なコンプライアンス要件を満たしながら、同社のオペレーショナルテクノロジー(OT)クラウドインフラストラクチャの管理負担を軽減しています。

ビジネス上の課題

オーストラリアのエネルギー事情は大きく変化しており、SA Power Networks(SAPN)がその変革をリードしています。南オーストラリア州唯一の配電事業者であるSAPNは、915,000の家庭と企業を通じて、170万人に電力を供給しています。南オーストラリア州政府は、2027年までに再生可能エネルギーによる発電比率を実質100%にすることを目指しています。この目標を支えるため、SA Power Networksは、現在エネルギー需要の71%を賄う再生可能エネルギーをさらに受け入れられるよう配電インフラを整備するとともに、電力網のデジタル化と自動化を進めています。

2025年初頭までに、SAPNは370,000基の太陽光発電(PV)システムと48,000台の家庭用蓄電池を自社ネットワークに接続しました。その結果、顧客の39%(家庭の44%、企業の20%)が太陽光発電を利用していました。これは、オーストラリアの全国電力市場において最も高い太陽光発電の導入率です。

こうした変化により、同組織のネットワークは、単純な一方向の電力供給システムから、電力が双方向に流れ、顧客の家庭や事業所にある分散型エネルギーリソースで発電される複雑なネットワークへと変わりつつあります。この動的なネットワークの管理は、ますます困難になっていました。太陽光発電設備が新たに設置されるたびに、安全な管理と処理を必要とする重要な運用データが新たに加わります。パフォーマンスとセキュリティの両方を維持する必要性が高まっていました。

暗号化要件は特に大きな課題でした。電力網と消費者向けデバイス間の通信を規定するIEEE 2030.5規格では、特定の暗号スイートへの対応が義務付けられています。SA Power NetworksのOTチームは、モダナイゼーションを進めるにあたり、厳格なセキュリティとコンプライアンスを確保しながら、既存サービスを継続して稼働させる必要がありました。同時に、インフラストラクチャ管理の負担軽減も目指していました。既存のオンプレミスシステムでF5 BIG-IPソリューションを利用してきた経験から、セキュリティと制御に対する高い基準が確立されており、クラウドベースのシステムへ移行する際にも、その基準を維持する必要がありました。

ソリューション

SA Power Networksは、クラウド変革戦略を支えながら、堅牢なセキュリティ機能を提供できるソリューションを幅広く評価しました。従来型の選択肢も複数検討しましたが、IEEE 2030.5で義務付けられている特定の暗号化要件に対応できず、最終的に要件を満たしませんでした。

幸い、NGINXaaS for Azureが有力な選択肢として浮上しました。F5 NGINXは、分散環境におけるアプリケーションデリバリ、最適化、セキュリティを包括的に提供します。NGINXaaS for Azureは、高度なNGINXアプリケーションおよびAPI接続サービスをMicrosoft Azureエコシステムと統合した、フルマネージドのクラウドネイティブソリューションです。

SA Power Networksチームは、重要な暗号スイートをサポートするよう構成できるNGINXの堅牢なリバースプロキシ機能を特に高く評価しました。この機能により、増大するデータストリームを効率的に管理しながら、最高水準のセキュリティを維持できました。NGINXaaS for Azureのクラウドネイティブアーキテクチャは、運用効率とセキュリティを理想的な形で両立し、インフラストラクチャ管理の負担を軽減するとともに、ITチームが再生可能エネルギーの統合に注力できる環境を実現しました。

NGINXaaS for Azureのクラウド導入プロセスでは、体系的なアプローチを採用しました。まず開発環境で初期段階の実現可能性と機能を検証し、厳格な品質保証を通じて、ソリューションがすべての基準を満たしていることを確認しました。F5 NGINXaaS for Azureが重要な役割を果たす中、SA Power NetworksはCER統合レイヤーに固有の要件と標準を実装しました。その後、完成したソリューションをユーザー向けの本番環境に導入しました。

成果

大規模なデータを保護し、統合

このソリューションのスケーラブルなアーキテクチャにより、SAPNは、PVインバーターやサードパーティのアグリゲーターから増え続けるテレメトリデータを効果的に統合、保護、管理できます。NGINXはIPアドレスに基づいてクライアントリクエストを処理し、統合プロセスにおける重要な要件に対応します。これによりSAPNは、数千か所に分散するエネルギーポイントから流入する膨大な量のリアルタイムテレメトリデータを効率的に処理できます。

太陽光発電設備の稼働数が増えても、システムはシームレスに拡張し、高いパフォーマンスとセキュリティを安定して維持します。IEEE 2030.5への準拠と、将来の成長に対応できる拡張性の高い基盤の構築により、このソリューションは、電力網のモダナイゼーションをリードするSAPNの地位強化に貢献します。

運用効率の向上

NGINXaaS for Azureのマネージドサービスモデルは、SAPNによるインフラストラクチャの複雑さの解消を支援します。これにより、管理作業を削減しながら俊敏性を確保し、チームはイノベーションに注力できるようになります。

IEEE 2030.5準拠に向けたセキュリティの強化

IEEE 2030.5で求められる高度な暗号化への対応により、SAPNのデータセキュリティを強化し、電力網とデバイス間の通信を保護するとともに、規制への準拠を維持します。最先端の暗号化と運用効率をシームレスに両立するNGINXaaS for Azureは、拡大を続けるSAPNの再生可能エネルギーネットワークにレジリエントな基盤を提供します。

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メリット

  • スケーラブルなクラウドネイティブアーキテクチャでモダナイズ
  • 大規模なデータの保護と統合
  • マネージドサービスで効率を向上
  • IEEE 2030.5への準拠に向けてセキュリティを強化

課題

  • 大規模なテレメトリ統合
  • 複雑なセキュリティおよび暗号化の要件
  • インフラストラクチャ管理の制約と複数環境への導入要件
  • Australian Signals Directorate(ASD)のEssential 8への準拠