FNHA|スケーラブルなF5サイバーセキュリティで医療への信頼を築く



信頼。ゼロトラスト セキュリティが叫ばれている今日、コミュニティ内、当局、テクノロジ ソリューション、ビジネス関係における信頼の価値を忘れがちです。ブリティッシュ コロンビア(BC)州のFirst Nations Health Authorityは、セキュリティ、スケーラビリティ、迅速なサポートを提供するF5ソリューションを利用し、F5の専門家たちの支援を受けて、健康状態の改善に向けて信頼を築くことに取り組んでいます。

課題

First Nations Health Authority(FNHA)は、2013年に設立された非営利団体で、州内の200以上のファースト ネーション コミュニティが住民の健康状態を改善できるよう支援することを目的としています。FNHAは、こうした団体としては(世界初ではありませんが)カナダ初であり、連邦、州、地域レベルのさまざまな既存の保健機関と連携するためのインターフェイスを構築し、データにアクセスしながら、ITシステムをゼロから構築する必要がありました。

FNHAが対象としている数十のコミュニティは小規模で人口密度が低く、その多くは辺ぴな場所にあるため、インターネット接続も交通機関もなく、技術的な課題は深刻でした(それは現在も続いています)。山が多く島が点在するこの州では、これらのコミュニティや彼らを支える保健機関の一部には車で行くことができず、船か水上飛行機で行くしかありません。一方、人的な問題としては、政府機関や準政府機関に対する歴史的な不信感があり、その背景には数十年にわたる差別や無視、公約違反があります。

この厳しい状況の中、Steven Ma氏は、変化を起こし、健康状態を改善するための技術インフラストラクチャの構築に2014年から取り組んできました。彼は、FNHAのコア テクノロジ、インフラストラクチャ、サイバーセキュリティの責任者として20人のチーム メンバーとともに、FNHA職員1,000人と、50~60か所に分散するヘルス センター、そして20万人近いFNHAの対象者をサポートしています。Ma氏は当初から、F5と連携することを決めていました。

ソリューション

「私たちには、ゼロから始めるという利点がありました。テクノロジを選ぶときは、それがテクノロジ リーダーのものであること、そしてスケーラビリティがあることを重要視しました。それがF5を選んだ理由です。」とMa氏は言います。FNHAは当初、F5 BIG-IP Local Traffic Manager(LTM)とF5 BIG-IP Access Policy Manager(APM)でシステムとサービスをサポートし、最初はオンプレミス アプライアンスとして実装して、後にF5 BIG-IP Virtual Edition(VE)に移行しました。

「最初の数年はローカル トラフィックに注力し、ポリシーを導入して、リモート接続に必要なすべてのVPNのセキュリティを確実に確保しました。」と彼は説明します。これには、連邦政府の保健機関であるカナダ保健省から引き継いだいくつかのレガシー システムのサポートや、地域の医療機関が使用していたさまざまな電子医療記録(EMR)システムの顧客の健康データの統合も含まれていました。「苦労したのは、相互運用性がないことです。」とMa氏は言います。

さらに、遠隔医療が盛んになる中、リモート アクセスの安全性を確保することは依然として重要な課題です。Ma氏によると、州内の80%に携帯電話の電波が届かず、衛星インターネット サービスが月々数千ドルかかり、特に最北部のコミュニティではそれでも不十分な場合があります。

そのような状況でも、FNHAは医療サービスを提供し、医療への信頼構築に努めながら解決に向けた努力を続け、最近ではWeb Application Firewall(WAF)によるセキュリティ体制の強化を決定しました。Ma氏は、彼が管理するシステムの中で、個人情報(PI)のセキュリティとプライバシーが最も重要なポイントだと言います。もちろん、BC州の個人情報保護法など、安全なサービスを提供するための規制ガイドラインは遵守しなければなりません。しかし個人情報を守ることは、公約の不履行と裏切りを何度も経験してきた人々からの信頼をFNHAが築くためには、心理的なレベルでより重要かもしれません。

同時に、Ma氏は職員募集のためポータルを安全に公開する必要もありました。10年足らずで組織の規模が3倍になったため、人事部は応募者を募る手段を強化する必要がありました。ITチームは、この公開ポータルによって攻撃や機密情報漏洩のリスクが増大するのを阻止しなければなりませんでした。

さまざまなソリューションを評価した結果、FNHAはF5 BIG-IP Advanced WAFの仮想エディションを選びました。「それは理にかなった選択でした。既存のシステムとロード バランサーに統合することができ、学習、実装、サポートが必要な別の製品を導入するよりも合理的でした。考えるまでもありません。」とMa氏は言います。

導入のタイミングは幸運でした。その直後にCOVID-19が世界的に大流行し、FNHAはほとんどの職員が突然、在宅勤務となりましたが、安全に業務を遂行することができたのです。「私たちにはテクノロジがあり、スケーラビリティもあったので、かなり早くリモート ワークに移行し、組織の機能を維持することができました。」とMa氏は言います。

成果

クラウドへの安全でスケーラブルな移行が可能

最近、データの保存と管理に関する州の厳しい規定が変更され、オンプレミスにすることと、データの保存と転送をカナダ国内に限定することが不要になりました。この変更とF5ソリューションの基盤により、FNHAはクラウド戦略に移行することが可能になりました。

「クラウドベースのサービスに対する需要は非常に高まっています。州は、この規制が私たちにとって大きな障害であることを理解し、要件を変更して私たちがクラウドを活用できるようにしたのです。私たちは、しっかりとした認証、セキュリティの確保、暗号化を行っていることを証明すればいいのです。」とMa氏は言います。F5ソリューションの保護機能とBIG-IP VEの俊敏性は実証されているので、FNHAはこの変更を十分に活用できる立場にあります。

「将来はクラウドベースになることは分かっています。また、スケーラブルな製品であることも、F5の重要な特徴です。最近ではMicrosoft Azureのテナントも開設しましたし、AWSも検討する予定です。完全にオンプレミスから移行するわけではありませんが、将来的にはクラウドベースに移行し、さらにマルチクラウドも視野に入れています。」とMa氏は言います。

迅速な対応に基づく関係

F5で最も評価している点を尋ねると、Ma氏はアカウント チームの迅速な対応を挙げました。「私たちは素晴らしい関係を築いています。彼らの対応は素晴らしく、いつでも相談に乗ってくれます。私たちは、何人ものスタッフにF5のトレーニングを受けさせています。このサポートにとても感謝しています。」

「テクノロジで人々のためになることをする」

「私たちの使命は、何世代にもわたって差別されたり、良い医療を受けられなかったりしたファースト ネーションの人々の健康改善に貢献することです。私たちが彼らを支えるために作られた組織であるという信頼を彼らから得なければなりません。」とMa氏は言います。F5も、FNHAを支援できることを嬉しく思っています。さらに、「私たちはF5にとって大口の顧客ではありませんが、F5は、私たちのようにテクノロジを使って人々のためになることをするという社会的意識の高いストーリーを共有することができると思います。」とMa氏は言います。

課題
  • 信頼性とスケーラビリティに優れたテクノロジ インフラストラクチャをゼロから提供する
  • 規制に準拠したWAFセキュリティで個人医療データを保護する
  • クラウドへの安全でスムーズな移行をサポートする

メリット
  • 簡単に拡張できるハードウェアと仮想エディション
  • テクノロジ リーダーが提供する信頼性の高いソリューションへの信頼
  • いつでも迅速に対応する「素晴らしい」サポート
製品