チーム構成がアプリケーションサービスの導入計画に与える影響

F5エコシステム | 2019年3月11日

開発者は、実に異質な存在です。役割や責任から組織内での位置付けに至るまで、開発者はしばしば「異色の集団」と見なされます。開発チームはIT部門に属する場合もあれば、事業部門に属する場合もあるため、必ずしも「IT」という枠に含められるとは限りません。

文化的変革としてのDevOpsが定着し始めている一方で、ほとんどの組織では、いわゆる「ITサイロ」と呼ばれる機能別の組織体制が依然として残っています。F5の「State of Application Services 2019」調査では、回答者の半数近く(46%)が、依然として「ネットワーク」「サーバー」「ストレージ」「セキュリティ」などの「単一機能チーム」に所属していることがわかりました。3分の1を超える回答者(37%)は、DevOpsの原則や、アプリケーションのデリバリとデプロイに対するアプローチを取り入れて実践するのに適した、複数機能を統合した運用チームに所属していました。事業部門や自社製品を軸とする小規模な部門横断型チームに所属していた回答者は、わずか15%でした。

組織構造は重要です。目的や優先事項の一部は組織構造によって決まり、それが成功を測る指標を左右するからです。組織がサイロ化すれば、指標もサイロ化します。このことは、昨夏に実施した「NetOpsとDevOpsに関する調査」の結果にも表れています。組織構造によって、チームの評価指標には大きな違いが見られました。たとえば、あらゆるチーム形態と役割に共通する最も一般的な指標は、次のとおりです。

  1. ネットワーク稼働時間(60%)
  2. アプリケーションの稼働時間(56%)
  3. プロセスの最適化(40%)
  4. 平均解決時間(39%)

しかし、これを細分化し、チームのタイプ別に指標を見ると、チーム構造のコラボレーション性が高いほど、つまりDevOpsに近いほど、優先事項が変化することがわかります。

 

単一機能

統合運用

部門横断

ネットワーク稼働率

67%

54%

50%

アプリケーション稼働率

53%

58%

61%

プロセスの最適化

34%

45%

45%

平均解決時間(MTTR)

43%

30%

44%

では、評価指標はアプリケーションサービスとどのように関係しているのでしょうか。実際には、大いに関係しています。

ネットワークの稼働時間を最優先するなら、その向上に取り組み、目標達成に役立つサービスを導入することになります。アプリケーションの稼働時間についても同様です。それを優先する場合、デプロイ頻度を評価指標とする人よりも、可用性サービスをはるかに重視することになります。

今回の調査におけるアプリケーションサービスの導入計画には、回答者の大半が「単一機能チーム」に属していることの影響が見て取れます。この傾向は、アプリケーションサービスを、アプリケーションに提供する機能(セキュリティ、パフォーマンス、アイデンティティ/アクセス、可用性、モビリティ)別に分類すると、より明確になります。

これらの結果には、単一機能チームの評価指標が及ぼす影響が反映されています。開発者が主に重視するのは可用性であり、多くの場合、そこには具体的なパフォーマンス目標も含まれます。そのため、可用性とパフォーマンスの両方を支えるアプリケーションサービスの導入を計画しています。同様に、NetOpsは、アプリケーションが依存するネットワークプロトコルを最適化、スケーリング、保護することで、ネットワークの稼働時間を支えるアプリケーションサービスに重点を置いています。

チーム構造は重要です。より協力的な文化を醸成する必要があるからだけではありません。テクノロジーの選択を含む意思決定にも影響するためです。目標が異なれば、対立や不満が生じます。従来はNetOpsが導入・運用してきた負荷分散などのアプリケーションサービスをDevOpsが取り込み、アプリケーションの一部として導入するようになっているのも、そのためです。単一機能型のチーム構造を採用する組織では、アプリケーションの稼働時間は開発者にとって優先事項ですが、NetOpsにとってはそうではありません。

DevOpsを真に活用するには、チーム構造とその評価指標を、従来の単一機能型チームから、より協働的なモデルへと移行する必要があります。

サイロが必要なのは農場であって、IT部門ではないからです。

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タグ: 2019

著者について

Lori Mac Vittie
Lori Mac Vittie特別技術者兼チーフエバンジェリスト | F5

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。

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