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クラウド、COVID-19、あいまいな俊敏性の尺度

Lori MacVittie サムネール
Lori MacVittie
Published March 26, 2020

今から10年以上前、クラウドの主な利点として俊敏性が約束されていました。アンケートや調査では、あらゆる種類のクラウド導入の牽引役として、捉えどころがなく、あいまいに定義された「俊敏性」が頻繁に挙げられていました。

私自身はこれまで、こうした利点には懐疑的でした。なぜなら、俊敏性を定義するのは不可能に近いからです。コスト削減額のように算出、予想、測定できるものことは異なり、俊敏性はソフト ベネフィットに該当します。

とはいえ、俊敏性とはどんなものなのでしょう?クラウド移行の成功には、どんなプロジェクトであっても、組織がその進捗状況を評価できるような目標が必要です。目標を達成したことを確認するためのテストはどのように行うのでしょうか?目標値の測定が難しければ、達成することはほぼできません。

COVID-19関連の直近の展開や世界中での急速な拡大が、意図せずして、その指標をもたらしました。ごく控えめに見積もっても、「めまぐるしく変化するビジネスの状況に適応する能力」よりは具体的なものを生み出したのです。確かに、「在宅」での勤務や学習の義務という変化よりも急激なビジネスの変化は、これまでありませんでした。この間まで、私たち全員が会社にいましたが、今はどうでしょう?自宅にいます。

テクノロジー チェーンのどちら側(ユーザーもしくは事業者)にも、今回の指示の影響が及んでいます。ユーザーの状況は一変し、たった1日の間に労働環境は劇的に変化しています。ソーシャル メディア チャンネルは、新常態(ニュー ノーマル)に適応しようと奮闘する事業者の意見、疑問、助けを求める声、不満であふれかえっています。スケーリングの問題もあれば、セキュリティの課題、アクセスの問題もあります。オフィスから自宅への移行は、逆境に直面しながらも事業を継続しなければならない責任者にとって、簡単なことではありません。従業員が混乱してしまうと、さらに高まるアプリケーション依存の急激な転換に事業者は間違いなく途方に暮れるでしょう。

このような状況を切り抜けるために、ビジネスに必要な俊敏性をクラウドが実現する、と何年も主張してきた専門家もいました。しかし、実際に一般的なシナリオを目の当たりにするまで、この主張をすべてのビジネスに当てはまる形で裏付けることは誰にもできませんでした。

今なら可能です。

すでにクラウドベースのソフトウェアをメインに活用している組織にとって今回の突然の転換は、痛みを伴わないとは言わないまでも、対処できる範囲でした。いずれにせよ、従業員がアクセスしたソフトウェアの場所と、その方法は変わりませんでした。同じブラウザ、同じ認証情報、同じシステムです。違ったのはユーザーの居場所だけで、実質重要ではありません。おそらく、ログインしなおす必要があるでしょう。結局のところ、面倒な点は、再認証が必要な3カ月ごとの社内パスワード変更指示とまったく同じです。

当社のお客様、そしてその他の企業の多くのように、F5もかなりの数のワークストリームをOffice 365に頼っています。これらのワークストリームは、同僚たちがホーム オフィスに移ったときでさえ(慌ただしい中でのセットアップでも)、中断することなく継続できました。TeamsとZoomによってバーチャルにつながることができ、電子メールも相変わらず飛び交っています。すばやく移行できたために、新しい(そして、一時的であることを願います)常態に適応しようとする他の組織の支援に意識を集中させることができています。

クラウドのおかげで、何百万もの他の組織と機関も同様に、オンプレミスから従業員の完全リモート化へシームレスに転換しています。私の懐疑心は正式に終わりを告げました。

自宅でも安全にお過ごしください。

すべてのアプリケーションがSaaSやクラウドの対象ではありません。リモート ワークのサポートが必要な場合、私たちにご相談ください。テクノロジーやサポートのオプションを取り揃えており、可用性、リモート アクセス、セキュリティに関してお力になります。また、当社NGINX部門の無料リソースをご利用いただけます。F5ファミリー、ユーザー、エキスパートで形成されるDevCentralコミュニティも、24時間無料で質問の投稿や回答の検索ができます。