
クラウド対応のアプリケーションデリバリコントローラー(ADC)は、従来型のADCとは異なります。カスタムハードウェアまたはCOTSハードウェアに導入できるスケーラブルなソフトウェアソリューションであり、アプリケーションの高速かつセキュアで可用性の高い配信とデプロイの両方を支援します。クラウド対応ADCにより、従来の安定性、セキュリティ、拡張性と、柔軟性に優れ、クラウドやDevOpsに適した最新のプログラマティック機能を組み合わせた、データセンターアーキテクチャへの最新の2層型アプローチが可能になります。
DevOpsにとってのメリット
最新および新興のアプリケーションをスケーリングするうえで重要なのは、もはやアルゴリズムではなくアーキテクチャです。従来のADCの負荷分散サービスでは、クラウド、モバイル、新興アプリケーションに求められる柔軟性を備えたアーキテクチャをサポートできなくなっています。現在の負荷分散サービスには、デリバリー時だけでなく、運用面でも拡張できることが求められます。そのためには、開発チームと運用チームが最新のアプリケーションを構成するすべてのコンポーネントをプログラムでプロビジョニング、管理、拡張する際に使用するフレームワークやツールとのネイティブ統合と、それらのサポートが必要です。F5のiSeries ADCは、これまでで最もプログラマブルなADCです。REST APIとSOAP APIに加え、node.jsと25万以上の既存モジュールからなるライブラリをサポートする堅牢なスクリプト言語を備えたiSeriesは、DevOpsがアプリケーションを本番環境にデリバリーおよびデプロイするために日常的に使用するツールと統合できます。Puppet、Chef、Ansible、Vagrant、OpenStack、VMwareなどです。F5は従来から独自の統合を構築する手段を提供してきましたが、F5 iSeriesではネイティブ統合がさらに充実しています。これにより、DevOpsは限られた貴重な時間を、最も重要な業務、すなわちアプリケーションのデプロイと、適切なパフォーマンス、可用性、セキュリティポリシーの確実な適用に充てられます。
これは、組織がネットワークでGartnerが「バイモーダルIT」と呼ぶものをサポートするために必要だと同社が指摘している要件に対応します:
- ネットワークインフラストラクチャにセルフサービス機能を組み込み、無駄を省き、迅速かつアジャイルに動くチームが、社内IT部門や変更作業時間帯を待たずに必要なサービスを利用できるようにします。これには、基本的なネットワーク機能(VLAN)、DNS/DHCP、L4~7サービス(アプリケーションデリバリ、セキュリティ)が含まれます。
- 同様に、高度に自動化され、DevOps担当者が求めるAnsible、Chef、Puppetなどとの連携機能を備えたネットワークソリューションに投資します。
また、プライベートクラウドスタックでは従来型の負荷分散機能しか提供されない傾向がある一方、F5 iSeriesでは既存のアーキテクチャを中断することなく機能を拡張できる、プログラム可能な手段を豊富に提供します。独自の iApp テンプレートに加え、OpenStack Heat などのクラウドネイティブテンプレートもサポートするF5 iSeries

) ADCにより、アーキテクチャを混乱させ、アーキテクチャ上の負債を増大させる可能性のある追加ソフトウェアを導入することなく、アプリケーションでWebアプリケーションセキュリティやリクエスト/レスポンスパスのルーティングなどの高度なサービスを利用できます。
一見矛盾しているように思えるかもしれませんが、最新のハードウェアプラットフォーム上のF5 iSeriesは、DevOpsや新しいアプリケーションにも大きなメリットをもたらします。ハードウェアによる拡張性とセキュリティ重視の設計を備えたコアネットワーク内のiSeriesにより、アプリケーションは、ビジネスに必要な暗号化(SSL/TLS)への対応と、運用コストの高い鍵および証明書の管理をNetOpsにオフロードできます。これにより、開発担当者とDevOps担当者はアプリケーションやプライベートクラウドに関する課題に注力できるようになり、DDoS攻撃や暗号化がアプリケーションの可用性とパフォーマンスに及ぼし得る影響も軽減されます。この点は、当初考えられる以上に重要になるでしょう。暗号化の利用と必要性は急速に高まっており、過去1年間で2倍以上に増加しています。2017年までに、すべての攻撃の半数以上がSSL/TLSで暗号化されると推定されています。そのため、アプリケーション開発者とDevOps担当者には、アプリケーションだけでなく、その展開先となるプラットフォームも保護するという非常に大きな負担がかかります。さらに、復号と検査による計算処理の負荷も無視できません。F5 iSeries ADCのようなコアネットワーク内の専用サービスにオフロードすることで、開発担当者と運用担当者の負担を軽減し、それぞれの中核業務に注力できるようになります。
F5 iSeriesは、単なるハードウェアや製品ではありません。従来のハードウェアソリューションが備える安定性、セキュリティ、拡張性と、ソフトウェアが持つ柔軟性、クラウド対応、プログラマビリティの両方を必要とするデータセンターアーキテクチャ向けのプラットフォームです。これらを兼ね備えることで、組織はプライベートクラウドや新たなアプリケーションアーキテクチャを支えるために必要なサービスを実現し、アプリケーション中心の世界で成功に欠かせないアプリケーションを提供できます。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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