COVID-19のパンデミック下では、ほとんどの組織が、従業員や請負業者など、実質的にすべての要員に対し、通勤や出社をせず、在宅勤務(WFH)またはリモートワークを行うよう義務付けるか、強く推奨しました。
この「感染拡大の曲線を緩やかにする」取り組みは、急速に広がる新型コロナウイルスによって病院や医療従事者、救急隊員の対応能力が限界に達する前に、その影響を軽減するため、世界が一丸となって進めている対策の1つです。
世界中の多くの企業が、同様の課題に直面しています。それは、これまでリモートワークの経験があったかどうかにかかわらず、数十人、数百人、あるいは数千人のオフィス勤務者が直ちにリモートで働けるようにすることです。F5では特に、米国で最初期にCOVID-19の感染が拡大した地域の1つであるシアトルの本社に勤務する従業員に加え、世界40か国以上の80か所以上の拠点で働くオフィス勤務者を支援する必要がありました。各地域では、急速に変化するデータや、連邦政府、州政府、地方自治体から新たに示される指針に応じて、異なるレベルの脅威に対処しています。
この記事では、2020年3月にF5のTechnology Servicesチームが行った取り組みを詳しく紹介します。猛威を振るう新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受け、従業員とその家族、そして地域社会を守るため、F5の経営陣は5,000人を超える世界各地の従業員にリモートワークを指示しました。ここに詳細を記録する目的は、後世に残すことや、お客さまに対するF5の取り組み姿勢を示すことだけではありません。リモートワークへの移行を始めたばかりの世界各地にとって参考となる青写真を示すとともに、将来の危機対応計画に役立つ資料とすることも目的としています。
先を見越して行動する
F5の従業員の大多数は、初日からリモートで勤務できる環境が整っています。支給されるノートPCには、F5のアクセス管理ソリューションであるBIG-IP Access Policy Manager(APM)クライアントがプリインストールされており、すぐに使用できます。BIG-IP APMは、SSL VPN、Webアクセス管理(WAM)、Identity Aware Proxy(IAP)を介したリモートアクセスを提供し、ゼロトラストに基づくアプリケーションアクセスを実現します。また、ユーザーとそのデバイスにアプリケーション(IAP)または社内ネットワーク(SSL VPN)へのアクセスを許可する前に、ユーザーデバイスのセキュリティ態勢を確認します。さらに、アプリケーションまたはネットワークのセッション中も、ユーザーデバイスが要件に準拠しているかを継続的に監視します。
危機発生から数週間が経過する中、F5 Technology Servicesチームは、パンデミックに先手を打って対応するため、積極的に取り組みました。中国全土でCOVID-19の感染が急速に拡大し始めると、同チームは、Office of the Chief Digital Information Officer、経営幹部向けコミュニケーションチーム、Incident Response Team(IRT)、社内ITチームなど、F5の他の社内チームとの連絡を開始するうえで重要な役割を果たしました。刻々と変化する状況を共有するとともに、深刻化する危機への対応策について継続的に連携できる体制を整えました。
新型コロナウイルスが中国からアジアの他の国々へ急速に拡大する中、F5 Technology Servicesはリモートアクセス容量の確保に着手し、特にF5のインターネット回線帯域幅と割り当て済みVPNセッション数が同地域にとって十分かどうかを確認しました。チームは利用状況を監視し(現在も継続中)、報告された問題を積極的に調査しています。また、Technology Servicesは、アジアを拠点とする従業員がF5の社内電話システムを引き続き利用しながらリモートワークを行えるよう、VoIPを使用するソフトウェア電話を導入しました。
データを追う
米国とカナダでCOVID-19が確認されると、F5 Technology Servicesチームは、南北アメリカに加え、欧州、中東、アフリカについても同様のキャパシティ調査を実施しました。調査結果の分析から、F5のシアトルデータセンターではインターネット帯域幅を増強する必要があることが判明しました。そこで、シアトル中心部にあるF5最大の拠点、F5 Towerのオフィス勤務者が速やかに在宅勤務やリモート勤務へ移行できるよう、十分なキャパシティを確保するため、インターネット帯域幅の増強を前倒ししました。同時にTechnology Servicesチームは、帯域幅の競合を最小限に抑えるため、F5製品のビルドパイプラインをクラウドマーケットプレイスやクラウドベースのバックアップに振り分けるなど、インターネット帯域幅を大量に消費するトラフィックを在宅勤務者やリモート勤務者のトラフィックから分離しました。
他の市場でも同様のアプローチが採用されました。欧州、中東、アフリカ(EMEA)のキャパシティデータを分析した結果、F5 Technology Servicesチームは、COVID-19のパンデミック中に在宅勤務やリモート勤務を行うF5の従業員および契約社員から生じ得る需要に対応するには、既存のBIG-IP APM環境では不十分となる可能性が高いと判断しました。この分析結果を受け、同チームはF5のロンドンデータセンターに新たなBIG-IP APMを迅速に導入して稼働させ、EMEA全域のF5の従業員および契約社員が利用できるようにしました。これにより、F5 Technology Servicesチームは、この地域に十分なキャパシティと冗長性を確保しました。
EMEAでリモートワークの指示が実施され始める中、F5 Technology Servicesチームは、より堅牢で信頼性の高いリモート電話サポートを必要とする地域内の主要グループを特定しました。こうした課題に対応するため、チームはこれらの主要グループをF5が導入しているMicrosoft Teamsへ迅速に移行しました。F5はTeamsの音声機能展開における早期導入企業であり、これによりEMEAの対象グループは、コンピューターやモバイルデバイスでソフトウェア電話を利用できるようになりました。
想定外の事態を特定
在宅勤務やリモートワークの指示に迅速かつ効率的に対応する一方で、F5 Technology Servicesチームは、監視とアラートの自動化にも取り組みました。既存の監視プラットフォームを活用し、F5のデータセンターとAPMサイトにおけるインターネット帯域幅の使用状況について、自動アラートを作成しました。また、Zoomによるビデオ会議、ビルドパイプラインのトラフィック、クラウドバックアップなど、社内のインターネット接続に特に大きな負荷をかけるトラフィックを追跡するため、用途別の使用状況グラフも作成しました。
しかし、どのような導入でもそうであるように、すべてが完全に順調に進んだわけではありません。ただし、提出され、対応中のトラブルチケットの大半は、F5のリソースではなく、地域のISPのキャパシティに関するものです。特定のユーザーが抱える問題について、ボトルネックの所在を特定するのが難しい場合もありますが、チームは問題が発生するたびに対応を続けています。
また、リモートワークが義務付けられる中で、現地作業(ハードウェアの問題、物理的な設置、空調設備に関する検討事項など)にどう対応するか、ベンダーの対応可否をどう確保するかといった、新たな実務上の課題も生じています。
さらに、オフィス環境に慣れた従業員がリモートワークに適応できるよう支援するうえで、基本的なロジスティクス上の課題も生じています。その多くは、物理的な機器への対応や、新入社員のオンボーディングなど、従来は対面で行っていたプロセスの変更に関するものです。F5の多くのオフィス、特にTechnology Servicesのスタッフが常駐するオフィスでは、通常、常駐スタッフがセットアップしたノートPCを新入社員に支給しています。しかし現在は、すべての業務を全従業員がリモートで行っているため、新入社員が必要なシステム一式を受け取った後、オンボーディングもリモートで実施する必要があります。
例外への対応に備える
たとえば、ワシントン州で施行された外出禁止令では、重要な事業活動について例外が認められています。これにより、F5 Technology Servicesチームの有志は、限定的に出社して新入社員用のノートPCを準備し、米国内のすべての新入社員に発送できました。この有志チームの活動により、オンボーディングや担当業務の開始を遅らせることなく、新入社員が業務を開始できる環境を整えることができました。
この異例の状況下でも社員が生産性を維持できるよう、期待を超える対応に尽力したのはF5 Technology Servicesチームだけではありません。たとえばF5 Revenue Operationsチームは、極めて重要な四半期末に在宅勤務が必要となることを懸念していました。そこでTechnology Servicesチームと連携し、必要に応じて自宅でも既存のオフィス環境を可能な限り忠実に再現できるよう、オフィスの機器一式をキットとして梱包しました。場合によっては、Revenue Operationsチームのディレクター自らがSUVでこれらの「オフィスキット」を運ぶこともありました。
隔離中も人とのつながりを保つ
オフィス勤務から在宅勤務やリモート勤務へ円滑に移行し、業務の継続と生産性を維持する鍵は、コミュニケーションとコラボレーションです。F5 Technology Servicesチームは、さまざまなコミュニケーション手段を活用し、タスクに効果的に対応できるようにしています。執筆時点では、少なくとも1日2回、スタンドアップミーティングでリアルタイムに連携しています。これにより、メンバー同士がつながり、取り組んでいる業務を共有し、必要に応じて支援を求め、成果を称え合うことができます。また、視覚的なタスクボードを活用して担当業務を管理しています。さらに、バーチャルハッピーアワーも開催し、新たに在宅勤務やリモート勤務となったメンバーが、家族とともにこの異例の状況を乗り越える中で、互いの近況を語り合えるようにしています。
COVID-19のパンデミックにより、新たな働き方がほぼ一夜にして現実のものとなりました。F5は、優れたTechnology Servicesチームと世界各地の従業員の力により、この新たな環境に迅速に適応できました。世界中でF5のような企業が、柔軟性と革新的なコラボレーションを従業員文化の重要な要素として定着させるための新たな方法を模索しています。コードが私たち全員をつなぎ、在宅勤務やリモートワークを行う中でも生産性を維持できるよう支えています。私たちは、自分自身、地域社会、そして世界全体を守るために、人との接触を避けて過ごしています。
現在の状況に企業が適切に対応できるようF5がどのように支援できるかについて詳しくは、F5のCOVID-19関連の事業継続性ページをご覧ください。
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