「物事には表と裏がある」と昔から言われています。コインの両面に異なる図柄が刻まれていても、同じ色であることは言うまでもありません。
DevOpsとNetOpsの実態を詳しく調べたところ、まさにそのことが明らかになりました。取り組みの優先順位に関して、両者は従来の典型像で語られるよりもはるかに相手を高く評価しており、多くの共通点があります。細部では意見が分かれることもあります。
2017年7月に、NetOpsおよびDevOpsの専門家884人を対象に調査を実施しました。主に自動化への取り組みについて質問したほか、デプロイの頻度や成功率など、DevOpsでよく用いられる指標についても尋ねました。
しかし、それだけでは単なる無機質な数字にすぎません。両者が互いに抱く印象は、ステレオタイプで描かれるような反目を反映しているのか、それとも、親友とまではいかなくても、反目しつつ協力できる関係へと進展しているのかを知りたいと考えました。結局のところ、両者の目標は同じです。ビジネスをさらなる高みへと押し上げるアプリを市場に投入することです。
そして、結果を見る限り、確かにそのようです。両者とも、アプリを市場に投入する際に、より緊密な連携とやり取りを望んでおり、それを具体的にどのような形で実現したいかについても例を挙げています。また、両者は、自らが提供し、デプロイするアプリケーションのセキュリティ、信頼性、パフォーマンスについて共通の認識を持っています。意外なことに、どちらも業界の変化の速さによる影響を免れてはいません。DevOpsとNetOpsのいずれも、5年後も自分たちの役割が必要とされているかどうかについて十分な確信を持てずにいます。また、業務に必要な知識と、現在身に付けているスキルや受けているトレーニングとの間に、少なくとも何らかのギャップがあると認識しています。
しかし、開発パイプラインと本番環境のパイプラインの隔たりをテクノロジーでどの程度埋めるべきかについては、見解の相違が明らかになりました。これは、「ネットワーク」が開発者やDevOpsにIT部門外、主にクラウドでのソリューションを求めるよう促し、マルチクラウドの普及を後押しする主な要因であるという、広く共有されている見方を裏付けています。
自動化。自動化。自動化。
これは実際の発言をそのまま引用したものであり、NetOpsの担当者が「適切なこと」を優先していないと考える少数派のDevOpsに共通する見解です。その背景には、本番パイプラインが「まったく」自動化されていないと回答した少数(8%)のNetOpsとの対立があるのかもしれません。あるいは、開発者、DevOps、開発部門が自動化/セルフサービス機能を通じて本番パイプラインにアクセスすることを一切認めるべきではないと考える少数のDevOps(4%)に属しており、単に意見が異なるだけなのかもしれません。

幸い、どちらの点でも、こうした回答は少数派です。NetOps担当者の大半は、本番パイプラインの50%以上が自動化された環境で運用しているだけでなく、最多の回答を占める61%が、さらに、DevOps担当者と開発者がそのパイプラインの50%以上にアクセスできるようにすべきだと考えています。
つまり、NetOpsは、自動化とセルフサービス機能をさらに拡充したいというDevOpsの要望に全面的に賛同しています。
さらに、両グループの圧倒的多数が、相手も「適切な事項」を優先していると考えています。相手側の優先順位に賛同した割合は、DevOpsで82%、NetOpsで76%に上りました。結局のところ、駐車場で夜明けの決闘に及ぶような対立はほとんどなさそうです。
自動化が進むほど、成功の可能性も高まる
DevOpsの分野では、自動化によってデリバリーとデプロイの頻度が高まるだけでなく、全体的な成功率も向上するという考えが一般的です。手作業による介入が必要になるたびに、エラーが入り込む可能性は高まります。実際、多くの障害ではヒューマンエラーが大きな要因となっています。これは論理的に妥当なだけでなく、F5の調査結果でも裏付けられています。デプロイの成功率と、現在自動化されているデプロイパイプラインの割合を比較すると、少なくともほとんどの場合、正の相関が見られます。

- NetOpsの大多数(65%)が、デプロイの成功率は90%以上と高いと回答しています。そのうち86%は、本番パイプラインの75%超を自動化しています。
- デプロイ成功率が高い(90%以上)と回答したNetOpsのうち、37%が週に1回デプロイしています。興味深いことに、デプロイ成功率が低い(50%未満)と回答したNetOpsでは、3人に1人が1日に複数回デプロイする一方、3人に1人は月に1回デプロイしています。
データから、成功につながりやすい「最適な条件」があると考えられます。それは、週に1回デプロイし、パイプラインの75%以上を自動化することです。
スピードの必要性
F5の調査では、自動化に対する共通認識が広がっている一方で、意見には明確な相違があることがわかりました。その相違の1つは、アプリケーションエコノミーが牽引する変化の速いマルチクラウドの世界で成功するために必要な、真の変革を実現するうえで不可欠な中核概念に関するものです。
NetOpsでは、現在のデプロイ頻度を「多すぎる」と回答した割合が平均8%で、DevOpsの4%の2倍でした。一方、デリバリー頻度に不満を持つ割合はDevOpsの方がはるかに高く、26%が「十分な頻度ではない」と回答しました。
それでも、両グループとも明確な過半数が、現在のスピードは「自分たちにとって十分」と感じていました。
- 現在のデリバリー頻度で「十分」と考えているDevOps担当者(70%)のうち、31%は週に1回、本番環境に変更をデリバリーしています。
- デリバリー頻度を「高すぎる」と評価したDevOps担当者(全体の4%)のうち、38%は月に1回デリバリーしています。
- デリバリー頻度を高めたいと考えているDevOps担当者(全体の26%)のうち、28%は週に1回、26%はすでに1日に複数回デリバリーしています。
デプロイ頻度を「十分」と回答したNetOps(74%)のうち、37%が週1回デプロイしています。興味深いことに、デプロイ頻度が「高すぎる」と回答したNetOps(9%)でも、44%が同じく週1回デプロイしています。デプロイ頻度を高めたいと回答したNetOps(18%)の大半は、週1回(27%)または月1回(28%)デプロイしています。
自動化で成功をつかむ
開発からデリバリー、デプロイに至るアプリケーションライフサイクルにおける自動化の重要性と影響について、DevOpsとNetOpsの見解はほぼ一致しています。NetOpsによるアプリケーションの信頼性、パフォーマンス、セキュリティの評価と、パイプラインの自動化には正の相関が見られました。パイプラインの少なくとも50~75%が自動化されている場合、アプリケーションの信頼性とパフォーマンスの評価に対する確信度が高まります。
パイプラインの75%以上が自動化されている場合、アプリケーションセキュリティの評価に対する信頼度が高まります。当然ながら、DevOpsもパイプラインの自動化から同様の影響を受けているようです。パイプラインの75%超が自動化されている場合、アプリケーションの信頼性とパフォーマンスに対する評価の信頼度が最も高くなりました。
F5の調査結果(完全版レポートはこちらから入手できます)によると、自動化は総じて高く評価されており、NetOpsとDevOpsの双方から支持されています。
どちらの観点から見ても、自動化は重要です。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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