AIゼロデイの脅威が現実に:CISOが知っておくべきこと

NGINX | 2024年12月17日

Googleのセキュリティチームによると、AIを活用した脆弱性発見システムが、広く利用されているソフトウェアからゼロデイ脆弱性を特定しました。これは世界初の事例です。GoogleによるAI分野でのこの画期的な成果は、AIを活用したリスクとその対策への移行が避けられないことを浮き彫りにしています。Googleの研究者は、AIモデル「Big Sleep」を使用して、SQLiteデータベースエンジンに存在するメモリ安全性の脆弱性、すなわちスタックバッファアンダーフローを特定しました。SQLiteは最も広く導入されているデータベースエンジンの1つで、数百万台のデバイスや数百万のアプリケーションに組み込まれています。オープンソースであり、データパイプラインやデータベースのソフトウェアサプライチェーンにおいて重要な役割を担っています。Big Sleepは、そのコード内にある重大なスタックバッファアンダーフロー脆弱性を特定しました。これは従来の手法では見逃されていた欠陥です。

CISOにとって、これは重要な意味を持ちます。善意の主体も悪意のある主体も、ゼロデイ脆弱性の検出にAIを利用でき、実際に利用するようになるでしょう。セキュリティをめぐる動きは加速し、それに対応するにはAIが不可欠になります。同時に、中核となるセキュリティ制御を導入し、適切に調整しておくことが、これまで以上に重要になります。今こそ、AIを利用した脅威に2つの側面から対処する必要があります。第1に、急速に進化するセキュリティリスクに対抗するため、AIを活用した防御策を導入すること。第2に、既存のセキュリティフレームワークを強化し、こうした新たな機能と統合できるようにすることです。

“AI脅威の増大に対応するには、より高度なツールだけでなく、人的ミスを最小限に抑えるための包括的なカバレッジと自動化が必要です。”

AIを悪用したゼロデイ攻撃の急増が迫る

コーディングやコード分析を行う大規模言語モデル(LLM)は急速に進化しています。また、無料で利用できるものも多く、オープンソースとして公開されている場合も少なくありません。攻撃者はこの状況に着目し、AIを活用してシステムの脆弱性を探し出そうと積極的に動いています。CISOが、AIによって発見されるゼロデイ脆弱性の急増を想定すべき背景には、いくつかの重要な要因があります。

高度なAI機能: 最新のAIモデル、特にLLMは、複雑なコードベースを分析し、これまで知られていなかった脆弱性を特定する高い能力を示しています。GoogleがProject Big SleepでAIを活用し、広範囲に影響するゼロデイ脆弱性を発見した事例は、プロアクティブなセキュリティ対策におけるAIの可能性を示す好例です。

自動化と効率化: AIを活用したツールにより、脆弱性の発見プロセスを自動化し、セキュリティ上の欠陥を特定するまでの時間を大幅に短縮できます。この効率化により、手作業だけでは実現できない速さで脆弱性を検出できます。GreyNoise IntelligenceがAIを活用してライブストリーミングカメラのゼロデイ脆弱性を発見した事例は、この能力を示す好例です。

より高度な意味理解:AIモデルは、コンテキスト、意図、機能をより深く理解してコードを分析し、従来の手法では見落とす可能性のある脆弱性を発見できます。この意味理解により、明らかなコーディングエラーだけでなく、悪用される可能性のある微妙なロジック上の欠陥、設定上の問題、セキュリティギャップも特定できます。たとえば、OpenAI Codexは、プログラムの意図された動作と実際の実装を照らし合わせて解釈することで、見つけにくいセキュリティ上の弱点を発見できることを実証しています。

こうした進歩が重なることで、CISOとセキュリティチームは、AIによって発見されるゼロデイ脆弱性が相次ぐ事態に備える必要があります。先手を打つには、AIを活用した防御ツールの導入を優先し、脆弱性に早期に対処できるよう開発チームとセキュリティチームの連携を強化するとともに、新たに出現するAIの脅威について従業員への継続的な教育を行うことが重要です。AIを利用したサイバー攻撃が台頭する新たな時代において、そのリスクを軽減するには、プロアクティブな戦略が不可欠です。そのためには、AIの脅威に対抗するためにAIを導入するだけでなく、ゼロトラストをはじめとするプロアクティブな戦略を一層強化し、攻撃対象領域を縮小する必要があります。

より強固な多層防御が不可欠に

CISOにとって、新たなAI脅威の状況は、攻撃対象領域を可能な限り広くカバーすることの重要性を一層高めています。そのためには、より広範なコード、構成データ、プロトコルを対象とする必要があります。また、アプリケーションデリバリーのライフサイクル全体で、より多くの検出ポイントにセキュリティメカニズムを配置するとともに、手作業をさらに削減するためのツールと自動化を提供することも必要です。

たとえば、F5 NGINX App Protectは、幅広いプロトコル(HTTP/S、HTTP/2、gRPC、MQTT、WebSocket)にわたって異常な動作の種類を防止することで、AIによって特定された多くのゼロデイ攻撃をブロックできる可能性があります。NGINX App Protectは、あらゆるNGINX製品との併用やCI/CDパイプライン内を含め、場所を問わず導入できます。多層防御のもう1つの要素として、NGINX One SaaSコンソールは構成を自動で推奨するエンジンとして機能します。これにより、チームは構成変更を迅速に適用し、NGINX Plus、NGINX Open Source、Kubernetes製品、Azure-as-a-Serviceオプションを含むNGINX環境全体でゼロデイ攻撃をブロックできます。

AI主導時代に向けて多層防御の可能性を拡大

AIゼロデイは、脅威情勢の変化にとどまらず、サイバーセキュリティの未来を垣間見せるものです。AIによる脆弱性の発見は一過性の出来事ではありません。攻撃に使われるツールと同じ速さで、防御に使うツールも進化しなければならないことを示しています。AIによって発見される脆弱性は、サイバーセキュリティの転換点となり、より広範かつ多層的な防御戦略が求められます。

攻撃者がAIを活用して弱点を発見し、悪用するようになる中、CISOは多層防御に注力し、攻撃対象領域をより広範にカバーする必要があります。そのためには、より多くのプロトコル、コードベース、構成データを保護対象に含めるとともに、アプリケーションライフサイクルのあらゆる段階にセキュリティメカニズムを導入することが求められます。AI脅威の台頭に対応するには、より高度なツールだけでなく、包括的なカバレッジと自動化によって人的ミスを最小限に抑えることも必要です。この新たな時代を生き抜くには、すべてのレイヤーを強化し、あらゆる脆弱性を確実に保護することが不可欠です。

詳細については、F5 NGINX App ProtectのWebページをご覧ください。

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著者について

Navpreet Gill
Navpreet Gillシニアプロダクトマーケティングマネージャー | F5 NGINX

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