生成AIは、組織のイノベーションや業務のあり方を変革しています。一方で、プロンプトや応答のたびに、機密情報が漏えいするリスクが伴います。個人データ、財務記録、独自コードなどの機密情報は、AIとのやり取りの中で、検知されないまま脅威にさらされる可能性があります。セキュリティチームには、ワークフローを中断したりユーザー体験を損なったりすることなく、データの流れを検査、保護、管理できる、精密かつリアルタイムな制御ポイントが必要です。その制御ポイントが、今ここにあります。
本日、F5 Application Delivery and Security Platform (ADSP)にF5 AI Gatewayによるデータ漏えいの検知・防止機能を導入します。F5 ADSPにより、企業はAI搭載アプリケーションの会話コンテンツを保護できます。
AIインタラクションに緊密に統合されたセキュリティ
AI Gatewayは、AIのプロンプトとレスポンスが流れる経路に、独自のリアルタイムデータ分類エンジンを直接組み込みます。すべてのコンテンツをインラインで評価することで、推論処理のセキュリティを適用しながら、AIとの対話をシームレスに継続できます。データ漏洩の検知・防止機能により、AI Gatewayは以下を含む幅広い機密コンテンツを識別します。
- 個人を特定できる情報(PII)国民識別番号、住所、メールアドレス、電話番号など。
- 財務データ口座番号、クレジットカード番号、取引記録など。
- 保護対象保健情報(PHI)患者識別情報から治療記録まで。
- 専有情報(ソースコードや構成ファイルなど)。
- その他の機密文書(組織外への持ち出しが禁止されているもの)。
AIポリシーは、やり取りが行われる時点で適用されます。機密性の高いコンテンツが検出されると、事前定義されたポリシーに従い、監査用にイベントを記録する、機密テキストをマスキングする、プロンプトまたは応答を完全にブロックするなどの方法でデータフローが制御されます。ポリシーをリアルタイムで適用することで、組織は機密データが環境外に流出したり、出力の生成に使用されたりすることを防止できます。
F5 AI GatewayがAI時代に対応したセキュリティをどのように提供するかをご覧ください。
使い慣れたワークフローでシームレスに構成
AI Gatewayを基盤とするF5 ADSPにより、セキュリティチーム、アーキテクト、運用担当者は、セットアップとチューニングを容易に行えます。各チームは、最小限の労力で複数の環境にわたるポリシーを作成し、検知パラメーターを調整できます。情報が付加された検知結果は、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)やセキュリティオーケストレーション、自動化、レスポンス(SOAR)プラットフォームなど、組織のセキュリティツールと連携します。これにより、アナリストはインシデントを迅速に関連付け、自動対応を開始できます。
アプリケーションを構築するチームに対して、インラインでの適用プロセスは透過的に実行されるため、AIとのやり取りの速度と効率が維持されます。エンドユーザー体験を損なうことなく、ユーザーには準拠した応答のみが提供され、管理者は大規模環境での可視性とセキュリティを確保できます。
エンタープライズのガバナンスと拡張性を考慮した設計
組織が1つの場所で1つのAIモデルだけを運用することはほとんどありません。AIの導入環境は、多くの場合、社内システム、マネージドクラウドサービス、各地域の外部推論ポイントにまたがります。F5 ADSPの一部であるAI Gatewayは、モデルのルーティング時も含め、これらの環境全体でセキュリティ基準を一貫して適用します。データ漏えいの検知と防止により、以下が可能になります。
- 継続的な監査とモニタリング:すべてのデプロイ環境におけるデータへのアクセスと送信を対象とします。
- 強力な認証と認可に加え、認証情報管理とロールベースアクセス制御(RBAC)を使用して、ユーザーの操作を最小権限の原則に沿ったものにします。
- すべてのプロンプトとレスポンスをインラインで評価し、外部プロキシやエンドポイントエージェントに依存することなく、コンテンツを即座にブロックまたは秘匿化します。
これらの機能により、企業はガバナンスポリシーを一度策定すれば、AIチームが活動するあらゆる環境で一貫して適用されると確信できます。
固有の検査ニーズに対応する拡張性
組織によって、機密データの定義は、顧客リストから専有情報、ドメイン固有のルールまでさまざまです。こうしたニーズに対応するため、AI Gatewayは高い拡張性を備えており、開発者はカスタム検出機能の構築、大規模言語モデル(LLM)のルーティングロジックの定義、高度なサニタイズルールの実装が可能です。これらの検出機能は適用ポリシーに統合されるため、運用を中断することなく、リアルタイムのカスタマイズと統合された適用レイヤーを実現できます。
詳細なプロンプトの来歴によるオブザーバビリティの強化
エンタープライズガバナンスには、ユーザープロンプトからAIモデルの応答を経て再びユーザーに戻るまで、データがどのように流れるかを完全に可視化することが不可欠です。データ漏えいの検知と防止ではログ機能が強化され、プロンプト、応答、メタデータに適用されたすべての変換が記録されます。デバッグ、コンプライアンス監査、運用上のオブザーバビリティなど、用途を問わず、組織はデータパイプライン全体で確認または可視化できる履歴を取得できます。
開発チームはエラーをより迅速に解決でき、コンプライアンスチームは組織のポリシーが遵守されていることを確認できます。また、運用チームは、AIツールと基盤インフラストラクチャの連携方法を継続的に最適化できます。
エンタープライズグレードのシークレット管理によるセキュリティ強化
キー、トークン、証明書はAIインフラストラクチャのセキュリティ確保に不可欠ですが、攻撃の標的になりやすいという課題があります。AI Gatewayは、ゼロトラストとサプライチェーンセキュリティの原則に従い、エンタープライズグレードのシークレット管理を統合することで、認証情報のセキュリティを強化します。保存中の認証情報を暗号化し、自動的にローテーションするほか、平文での送信を防止し、主要なツールとのシームレスな統合を実現します。この包括的なアプローチにより、機密データとAIインフラストラクチャの両方を保護します。
インタラクションを保護し、価値を引き出す
F5 ADSPにより、企業はアプリケーショントラフィックとAPIセキュリティを統合しながら、機密性の高いAIインタラクションを保護できます。一貫したポリシー、高度なオブザーバビリティ、効率化されたワークフローを活用することで、システム全体のリスクとコストを削減できます。生成AIの成功を左右するのは、データセキュリティ、コンプライアンス、プライバシーへの信頼です。AI Gatewayは、企業がこれらの基準を維持し、安全かつ効率的なAI主導のイノベーションを実現できるよう支援します。
AIが現実世界のデータとやり取りするようになった今、AIの保護はもはや任意ではありません。AIセキュリティは、あらゆる企業にとって不可欠です。F5 AI Gatewayの詳細については、製品ページをご覧ください。
また、F5による今週のAI関連発表をすべてご覧いただくには、プレスリリースをお読みいただき、Accelerate AI Webページもご覧ください。
著者について

Hunter Smitは、F5でソリューションおよび戦略担当のプロダクトマーケティングシニアマネージャーを務めています。AIインフラストラクチャやアプリケーションセキュリティを含むF5ポートフォリオ全体のソリューションマーケティングを統括し、新興のAIデータデリバリー市場へのF5の参入を推進しています。Whitworth University School of Businessの諮問委員会メンバーであり、プロダクトマーケティングの非常勤講師も務めました。Whitworth UniversityでMBAおよび経営学の学士号を取得しています。
Hunter Smitのその他のブログ記事関連するブログ記事

F5 Application Study Tool:OpenTelemetryによるF5 BIG-IP環境の監視
F5の新しいオープンソースツールは、BIG-IP環境を詳細に可視化し、データを追跡するとともに、強力でカスタマイズ可能なインサイトを得るための基盤を提供します。
F5 BIG-IPでAI防御を実現
F5 BIG-IP Advanced WAF、BIG-IP APM、BIG-IP SSL Orchestratorが、生成AIアプリ向けに包括的なセキュリティソリューションを提供する仕組みをご覧ください。
F5 Advanced WAFによるGraphQL APIの保護
ここ数年、多くの組織がデジタルトランスフォーメーションを進めており、COVID-19のパンデミックによってその動きは加速しています。
アプリケーションサービスの現状 通信業界版:リーダーとしての台頭
通信ネットワークが進化し、さまざまな業界の幅広いユースケースに対応するなか、通信業界の回答者がテクノロジーリーダーとしての存在感を高めていることがわかります。
デジタルトランスフォーメーションは、単なるペーパーレス化ではない
デジタルトランスフォーメーションは、単なるペーパーレス化ではありません。真のモダナイゼーションにアプリケーションアーキテクチャとセキュリティの再構築が必要な理由を、F5ブログでご覧ください。
やめましょう。もう本当にやめましょう。HTTPSはHTTPより高速ではありません。
もうやめましょう。HTTPSはHTTPより高速ではありません。プロトコルのパフォーマンスに関する微妙な違いと、暗号化トラフィックを適切に最適化する方法については、F5ブログをご覧ください。