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現地でのデータ保存: 規制が厳しい業界に欠かせないもの

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コリン・クローセット
2025年8月7日公開

現代のデジタル社会では、医療、金融、政府分野においてデータが命脈を握っています。 これらの分野の組織にとって、機密データの安全な管理と適切な監視は、ビジネス上の優先事項であると同時に法的義務でもあります。 この義務は、組織が取り扱う顧客データだけでなく、IT運用の過程で生成されるシステムログやメトリクス、アラートにも及びます。

ログ、メッセージ、イベントは、システムやアプリケーション、ネットワークの操作や取引、活動を記録するデジタルな履歴です。 これらの記録を以降は「ログ」と呼びます。 ログはセキュリティインシデントの追跡、責任の明確化、運用の確実な実行に欠かせません。 ただし、ログの保存場所と管理方法が何より重要になります。

規制遵守とデータの主権確保

医療や金融などの業界では、データに対して厳しい管理を義務付けており、ログを含む機密記録が承認された地理的領域の内側にとどまるようにしています。 例えば、一般データ保護規則(GDPR)では、欧州連合(EU)居住者の個人識別情報(PII)を、プライバシー保護が不十分な地域に移転してはいけません。

別の例としてHIPAAがあります。これは医療機関に対し、米国内の施設または信頼できる場所で患者の機密情報を正確に記録・管理することを求めています。 ローカル保存は重要なログを決められた範囲内に保つことで、国際的な管轄区域を越えてデータを転送するリスクを避けながら、これらの規則への適合を確実にします。

監査の透明性と責任の明確化

金融や医療分野では、規制監査が必須となっています。 ログはシステムの動作やユーザーの操作、ポリシーの適用状況を時系列で明確に示します。 しかし監査を有意義にするには、ログにすぐアクセスでき、改ざんを防ぎ、監査人の裁判管轄区域に準拠している必要があります。 ローカルストレージを使うことで、ログの完全な整合性を確実に管理でき、リモートシステムへのアクセス遅延なく、ログの安全性と監査可能性を保てます。

ローカリゼーション主権の図

データ ローカリゼーションで、ログを保存するリージョンを選択できます。

F5がローカルログ保存の課題をどのように解決するか

F5 Application Delivery and Security Platformは、アプリケーションやAPIをどこでも安全に守るための業界最高水準の柔軟性を提供します。 ハードウェアを使って当プラットフォームのサービスを導入するお客様は、データ保存場所を厳密に管理できます。 F5のハードウェアでは、ログを直接アプライアンスに保存したり、お好きなリモートログサーバーに転送したりすることが可能です。 当社のハードウェアをご利用のお客様には、ログの保存場所や方法を完全にコントロールいただけます。

F5 Distributed Cloud ServicesのSaaS経由でプラットフォームのサービスを利用するお客様は、ログ保存先のリージョンを指定できます。 規制要件に応えるため、場所の指定が必要なお客様向けにログ保存の選択肢を拡充しました。

分散クラウドサービスでは、データ ローカリゼーション スイートをサブスクリプションに追加して、テナントごとにログ記録リージョンを一つだけ選択できるようにしました。 生成された場所に関わらず、すべてのログをお客様が指定したリージョンに保存し、取り込み後は国境を越えないようにしています。 現時点で、お客様はEUまたは米国のどちらかに永続的なストレージを設定でき、今後のリリースでさらに選択肢を増やす予定です。

セキュリティとコンプライアンスは欠かせません

規制産業に携わるあなたなら、コンプライアンス違反による罰金や評判の損失、信頼の失墜のリスクがあることをよくご存じでしょう。 現時点で業界に明確な要件がなくても、地域ごとのデータ保存規制にはData Localization Suiteで先手を打ちましょう。

F5 分散クラウド サービス データ ローカリゼーション スイートを採用することは、単に規制上の義務を果たすだけでなく、あなたの組織の使命と委ねられた機密データを確実に守ることです。 これらの業界のリーダーにとって重要なのは、ログをローカライズするかどうかではなく、ログ管理を超えて監査性、保持、制御を包括する強固なデータ主権戦略をどう実践するかです。 まずはアカウントチームにご相談ください。対応地域も随時拡大していますので、ご期待ください。

お問い合わせいただき、開始方法をご案内します。今後の地域追加にもご期待ください。