アプリケーションデリバリとセキュリティでデジタルトランスフォーメーションの成功を加速

F5エコシステム | 2025年6月09日

デジタルトランスフォーメーションへの取り組みが始まってから10年以上が経過し、今ではほぼすべての企業がデジタルビジネスを展開しています。実際、93%の企業がデジタルによる収益創出活動を行っていると回答しています。デジタル化以前の時代を知る人にとって、デジタルトランスフォーメーションとは、地元のファーマーズマーケットで支払いのたびにタッチ決済をするときに感じる、ちょっとした驚きでもあります。今や誰にとっても、デジタルトランスフォーメーションは日々の業務そのものです。私たちは実際に、デジタルの世界へと移行したのです。

図

アプリがデジタルトランスフォーメーションの中心的な役割を担うことは直感的に理解できますが、APIの役割は多くの人にとって見えにくいものです。APIは、ソフトウェア同士がデータや機能をやり取りし、通信できるようにする一連のルールとプロトコルです。

現在のモダンアプリの多くは、実際にはAPIの集合体です。数年前、非常に興味深い調査を読みました。その調査では、パブリックAPIを構築・活用して価値を創出した企業は、パブリックAPIを導入しなかった組織と比べ、16年間でさらに38%成長したと結論付けています。つまり、組織内でAPIを連携に利用することは出発点にすぎません。真の変革が実現するのは、対外的な活動にAPIを活用してビジネス価値を創出するときです。

11年前、Lori MacVittieと私がState of Application Strategy Reportを開始した当時、デジタルトランスフォーメーションの取り組みを成功させるうえで、アプリケーションデリバリおよびセキュリティサービスが中心的な役割を果たすと考えていました。今年の調査では、優れたデジタルエクスペリエンスにはパフォーマンスおよびセキュリティサービスが必要だと考える回答者が92%に上ることがわかりました。

APIゲートウェイとセキュリティサービスは不可欠

APIがデジタルトランスフォーメーションを新たな段階へと推進する中、APIゲートウェイは、求められるパフォーマンスとスケーラビリティを実現する原動力となっています。APIゲートウェイは、グローバル層から「East-West」と呼ばれることの多いKubernetesクラスターに至るまで、データセンター全体に導入されています。さらに、アプリとAIモデルの間でも、APIゲートウェイの新たな活用機会が生まれています。

現在、APIを通じたビジネス価値の創出に期待が高まる一方で、APIトラフィックの増加とAPI侵害の頻発を背景に、API侵害は組織にとって大きな懸念事項となっています。今年のレポートでは、最も価値が高いと評価されたAPIセキュリティ機能は、ランタイムと、通常は外部とのやり取りに重点を置いたものであることがわかりました。具体的には、振る舞いの異常検知(46%)、悪意のあるデータのスキャン(43%)、認証と認可(33%)です。さらに、回答者の半数がAI/MLモデルの完全性を保護するためにAPIセキュリティが必要だと回答しており、AIによってAPIセキュリティの重要性は一層高まるでしょう。

デジタルトランスフォーメーション:ハイブリッド/マルチクラウドへの追い風

デジタルトランスフォーメーションもまた、ハイブリッドマルチクラウドの現実を後押ししています。ビジネスを動かすのはアプリであるため、デジタルトランスフォーメーションではアプリ(またはAPI)のニーズが最優先されます。複数のクラウドにアプリを展開するメリットを尋ねたところ、回答者の90%が、アプリやAIモデルに最適なクラウドを選択できることを挙げました。さらに、AIがハイブリッドマルチクラウドの定着を促しています。調査回答者は、AIモデルの約4分の1をパブリッククラウドに、さらに約4分の1をオンプレミスに配置すると見込んでいます。つまり、単一の場所だけでは対応できません。

グラフ

アプリケーションがビジネスを動かし、ビジネスニーズによってアプリケーションの配置先が決まります。回答者の約4分の3(74%)が、複数のクラウドにアプリケーションを展開する理由として、テクノロジーとは無関係のビジネス上の理由を少なくとも1つ挙げています。合併や買収によって引き継いだことや、2社のベンダーから調達する戦略も、よく挙げられる理由です。

アプリケーションデリバリおよびセキュリティサービスは、場所を問わず、アプリとAPIの可用性、パフォーマンス、セキュリティを確保します。これらは、デジタルトランスフォーメーションの成功を陰で支える存在です。

共有

著者について

関連するブログ記事

SOAS 2025:足並みの乱れが凡庸さを招く
F5エコシステム | 2025/05/13

SOAS 2025:足並みの乱れが凡庸さを招く

AI導入における方針の不一致は、非効率を招きます。セキュリティ、自動化、導入の各戦略を整合させ、AIの可能性を最大限に引き出す方法をご紹介します。

WebAssemblyが重要な理由
F5エコシステム | 2024/10/02

WebAssemblyが重要な理由

WebAssembly(Wasm)は、あらゆるプラットフォームで高性能なアプリケーションを実現する、ポータブルで高速かつセキュアなバイナリ命令セットです。

クラウドのコモディティ化
F5エコシステム | 2022/07/19

クラウドのコモディティ化

パブリッククラウドはもはや目新しい存在ではありませんが、XaaSやエッジ、そして新たなイノベーションサイクルへの道を切り開きました。

インフラストラクチャは依然として格好の攻撃経路
F5エコシステム | 2021/05/17

インフラストラクチャは依然として格好の攻撃経路

クラウドコンピューティングでは、APIやドラッグ&ドロップ式の設定ツールを活用し、ネットワークやインフラストラクチャを敬遠する人がそれらを直接扱わずに済むようにすることで、インフラストラクチャへの対応を不要にすることが長年追求されてきました。しかし、インフラストラクチャを無視することも、攻撃の主要な標的であるという事実を見過ごすこともできません。

堅牢なデータアーキテクチャがもたらす戦略的メリット
F5エコシステム | 2021/01/25

堅牢なデータアーキテクチャがもたらす戦略的メリット

適切に構築されたデータアーキテクチャがもたらす効果は、業務プロセスの改善にとどまりません。戦略的な業務効率の向上、より深いビジネスインサイトの獲得、隣接するビジネス機会への展開にもつながり、これらすべてをより俊敏に実行できるようになります。

デジタルワークフローにおける不正検知には、データだけでは不十分
F5エコシステム | 2020/09/21

デジタルワークフローにおける不正検知には、データだけでは不十分

2019年には、業界全体でクレジットカード詐欺の試みが約25万件確認されました。これは約2分に1件の割合です。今日、不正を検知するには、デジタルワークフロー上のできるだけ多くのポイントから収集したデータを相互に関連付け、手作業によるデータ処理をはるかに上回る速度で分析する能力が求められます。