F5アプリケーションサービスにAnsibleとTerraformのどちらを選ぶべきか

F5エコシステム | 2019年9月30日

いずれか一方、または両方を選択して、F5 Application Servicesを導入・運用できます。

オープンソース運動は、常に自由を重視してきました。スキル、予算、アーキテクチャ、目標を踏まえて、最適なソリューションを選択できる自由です。この原則は現在も、デプロイメントパイプライン向けに再現可能なインフラストラクチャを構築するうえで重要な要素となっています。

アプリケーションサービスのプロビジョニングと運用を自動化するための優れた選択肢は数多くあります。なかでも広く利用されているのが、RedHat AnsibleとHashiCorp Terraformです。

ここで、F5がAnsibleとTerraformの両方を全面的にサポートしていることをお伝えします。F5は、相互運用性と統合を確保するために両社と連携しているため、お客さまが対応する必要はありません。どちらを選んでも、F5がしっかりサポートします。

しかし、お客さまとの取り組みを通じて、タスクによってAnsibleが優れている場合もあれば、Terraformが力を発揮する場合もあることが分かりました。これは、パイプラインの自動化と保守では、必要となるタスクが異なるためです。

Terraformが特に優れているのは、オーケストレーション、つまり環境の状態管理です。Terraformは、環境がどのような構成で、どのように動作すべきかを把握します。問題がある場合は、レビュー対象として通知できます。

Ansibleが得意とするのは、構成管理です。つまり、個々のコンポーネントの状態維持に重点を置いています。環境内の個々のコンポーネントに問題がある場合、Ansibleはその問題に対処するために構成を調整できます。

各ツールは重点を置く領域が異なるため、デプロイライフサイクルの自動化に両者が併用されるのは当然です。

この2つのツールがF5 Application Servicesとどのように連携するかを理解するために、まずデプロイライフサイクルの全体像を確認し、共通認識を持つことをお勧めします。

デプロイメントのライフサイクル

アプリケーションに対応するデリバリーパイプラインを伴うライフサイクルがあるのと同様に、アプリケーションサービスにも、対応するデプロイパイプラインを伴うライフサイクルがあります。このライフサイクルには、複数のステップが必要です。

  1. プロビジョニング
    a. プロビジョニングとは、仮想マシンかコンテナか、パブリッククラウドかプライベートクラウドかを問わず、実際にインスタンスを起動するプロセスです。
  2. オンボード
    a. BIG-IPがデプロイされた環境で運用するために必要なネットワークを設定するには、オンボーディングが必要です。
  3. デプロイ
    a. ライフサイクルのデプロイフェーズでは、アプリケーションサービスを定義、設定し、起動します。
  4. 運用
    a. 継続的な運用には、監視と分析が必要です。F5 Telemetry Streamingを使用すると、BIG-IPをテレメトリパイプラインに接続し、必要なメトリクスとデータを共有できます。
  5. 変更
    a. 変更とは、既存の構成(デプロイフェーズで最初に指定されたもの)を修正するプロセスです。

AnsibleとTerraformは、どちらも5つのフェーズすべてで主要な自動化ツールとして使用できます。ただし、それぞれ得意とするフェーズが異なるため、両方を併用する方が効果的な戦略となる場合があります。一般に、Ansibleはデプロイと変更(構成管理)のフェーズで使用される傾向があり、Terraformはプロビジョニングとオンボーディング(オーケストレーション)でより多く使用されます。

AnsibleとTerraformの併用

また、多くのお客さまがツールチェーンの標準化を望んでいることも理解しています。それには十分な理由があります。複数のツールに関する専門知識を維持するのは容易ではなく、複数のツールチェーンを実行するために必要なインフラストラクチャの運用と保守も必要です。その場合は、これらの優れたツールのうち、どれを標準として採用するかを選ぶ方法があります。

  1. インフラストラクチャを変更する頻度が低い場合
    このシナリオでは、アプリケーションサービスには変更を加えますが、インフラストラクチャ、つまりBIG-IPには必ずしも変更を加えません。既存のBIG-IPを活用して新しいアプリケーションをデプロイする場合によく見られます。この場合、構成管理に優れたAnsibleが適しています。主な作業が構成管理になるためです。Ansibleは幅広い言語とAPI形式をサポートしているため、DevOpsチームとNetOpsチームのどちらがアプリケーションサービスを変更する場合にも適しています。F5 AnsibleモジュールまたはF5 AS3を介して、AnsibleでF5 Application Servicesを構成できます。具体的なニーズに応じて、両方を使用することもできます。Ansibleのアプローチを選択する方法について詳しくは、Mani GaddeとAndrius Benokraitisによるこちらの優れたブログをご覧ください。
  2. インフラストラクチャを頻繁に変更する場合
    クラウド、特にパブリッククラウドは、アプリケーションとそれを支えるインフラストラクチャを頻繁に変更できるようにするために選ばれることがよくあります。イミュータブルインフラストラクチャは、インフラストラクチャ全体を破棄して再デプロイするなど、このような状況で変動性を管理するうえで役立つことがよくあります。Terraformは、インフラストラクチャ全体を迅速にプロビジョニングし、オンボーディングすることに優れているため、このシナリオに適しています。その設計と、オーケストレーションへの重点は、特にクラウドのような変化の激しい環境で、一貫性と再現性のあるインフラストラクチャを大規模に構築するのに適しています。
  3. インフラストラクチャとアプリケーションサービスの頻繁な変更
    TerraformとAnsibleの組み合わせは、インフラストラクチャとアプリケーションサービスの両方で頻繁に発生する変更の管理に適しています。環境や個々のコンポーネントの状態が頻繁に変わることが想定されるため、アプリケーションとそれを支えるアプリケーションサービスの可用性を維持するには、変更管理ツールとオーケストレーションツールの両方が必要です

Ansible、Terraform、またはその両方のいずれを選択しても、F5はネイティブ統合と事前構成済みテンプレートを提供し、活発なコミュニティとともに継続的な機能強化を図ることで、その選択を支援します。

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タグ: 2019

著者について

Lori Mac Vittie
Lori Mac Vittie特別技術者兼チーフエバンジェリスト | F5

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。

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