今年も公共部門でデジタルトランスフォーメーションが重要課題であり続ける理由―第1部:優先事項

F5エコシステム | 2022年11月17日

公共機関では、IT部門内でも組織全体でも多くの優先課題が競合しているため、組織全体でデジタルトランスフォーメーションによる有意義な成果を上げることは容易ではありません。率直に言えば、仮にITリソースの100%をデジタルトランスフォーメーションに投入したとしても、望まれる抜本的な成果をすぐに実現できる可能性は低いでしょう。それでも、リソースに制約がある中で、デジタルトランスフォーメーションは長期的に大幅な改善をもたらす可能性があり、今年も公共部門における主要な重点課題となっています。

具体的には、多くの政府機関が、ミッションやIT運用を支えるために全面的に依存してきたレガシーアプリケーションでは、イノベーション、俊敏性、効率性に関するビジネス要件の変化に対応できなくなっていると認識しています。つまり、デジタル投資の主な推進要因である、市民と職員双方のデジタルエクスペリエンスおよび業務効率の向上を図るには、既存のレガシーアーキテクチャを補完する、よりモダンなアーキテクチャを導入する必要があります。

本記事は、公共部門のデジタルトランスフォーメーションを取り上げる全2回シリーズの第1回です。今回は、公共部門でデジタルトランスフォーメーションが引き続き重要視されている理由と、特に優先されている取り組みについて解説します。第2回では、政府機関におけるデジタルトランスフォーメーションの戦略的アプローチと、主な課題の一部を取り上げます。

政府のデジタルトランスフォーメーションを加速する機運

政府のデジタルトランスフォーメーションは熱を帯びていますが、パンデミック期に過熱したデジタル化の勢いは弱まりつつあるのでしょうか。Forresterのインフォグラフィック『The State of Digital Transformation in Government, 2021(SDTG)』によると、世界各国の政府職員を対象とした調査で、「今後12か月間に、組織が最優先する可能性が高いビジネス施策は次のうちどれですか」という質問に対し、デジタルトランスフォーメーションの優先度が低下していることを示す回答が得られました。「デジタルビジネスへの移行を加速する」を選んだ回答者の割合は、2020年半ばの28%から2021年には20%に低下しています。20%という数字は、デジタルビジネスへの移行を優先事項に挙げる回答者が依然として相当数いることを示していますが、8%の低下を不可解に感じる人もいます。

「デジタル化が進む世界では、公共部門は効率を大幅に向上させ、コストを削減できる可能性があります」と、F5のOffice of the CTOでDistinguished Engineerを務めるLori MacVittieは述べています。さらに、「したがって、2023年の厳しい財政見通しが迫る中、増大するコストへの対応に必要なモダナイゼーションの優先度を下げることは、おそらく最善の戦略ではありません」と続けています。

政府におけるITの最優先課題

最近のNASCIOの調査によると、米国の州政府CIOの89%が、ハイブリッドクラウドを理想的なクラウド環境として挙げています。政府機関がデジタルトランスフォーメーションによって期待されるイノベーション、俊敏性、効率性を最大限に活用するには、こうしたよりモダンな環境が必要です。しかし、ハイブリッドクラウド環境への移行により、可視性が低下する一方で、攻撃対象領域は拡大します。

Forrester SDTGのインフォグラフィック調査で、「今後12か月間に、IT部門が優先的に取り組むテクノロジー施策は次のうちどれですか?」という質問に対し、「クラウド利用の拡大」(27%)と「セキュリティおよびプライバシー機能の強化」(29%)が上位2つの回答となったのも不思議ではありません。

政府機関が従来使用してきたWAFおよびDDoS対策ソリューションでは、複雑に混在するアプリやAPIを、増加するリスクや進化する脅威から保護することがますます困難になっています。特に、高度化する悪意ある組織による政府への脅威が増大しています。

したがって、クラウドやアーキテクチャを横断して稼働し、アプリケーション開発ライフサイクルや住民の利用体験を損なうことなく、可視性とセキュリティの有効性を最大限に高めるカスタマイズされた保護機能をシームレスに導入できる、SaaS形式で提供されるセキュリティソリューションを検討することが賢明です。

政府のデジタルトランスフォーメーションを推進する主な要因

前述のとおり、政府機関のIT部門は、複雑化する最新の要件に単独では対応できず、構成の効率化や市場投入期間の短縮に必要な、最新インフラストラクチャと同等の自動化機能も備えていないレガシーソリューションを抱えていることが少なくありません。実際、IBMのMarket Development and Insightsチームがマイクロサービスについて実施した調査では、調査対象となったIT部門の経営幹部の51%が、「マイクロサービスを効果的に運用するために必要な最新インフラストラクチャの不足」を課題として挙げています。

これは、前述した主要なIT優先課題の一部を明らかに妨げています。たとえば、市民と職員のデジタル体験の向上や業務効率の改善です。ForresterのSDTGインフォグラフィックによると、これらは政府のデジタルトランスフォーメーションを推進する主な要因として、それぞれ41%と34%を占めています。さらに、多くの政府機関が、必要なデジタル業務をすべて担えるだけの技術人材の確保に苦慮していることから、よりモダンな開発アーキテクチャと、それに伴う自動化の必要性が一層高まっています。こうしたデジタルトランスフォーメーションの重要な要素がなければ、政府機関は、より少ないリソースでより多くの成果を上げること、アプリケーションデリバリーを自動化すること、テクノロジーの乱立を解消することなど、極めて重要な目標の達成に必要な俊敏性を確保できず、苦慮することになります。

今回は、公共部門がデジタルトランスフォーメーションの取り組みを前進させるうえで重要となる優先事項に焦点を当てた、全2回のブログシリーズの第1回をお届けしました。第2回では、デジタルトランスフォーメーションの成功につながる政府の戦略と実行について掘り下げます。

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この重要なトピックについてさらに詳しく知るには、Forresterのインフォグラフィック『2021年政府機関におけるデジタルトランスフォーメーションの現状』を今すぐダウンロードしてください。

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タグ: 2022

著者について

Chad Davis
Chad Davis業界マーケティング担当プリンシパルマネージャー | F5

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