先日、IT運用担当者を対象に「ネットワーク自動化の現状」について調査したところ、市場がさまざまな課題に直面していることがわかりました。NetOps担当者からは、自動化の取り組みを進めるための統合ツールが不足しているという課題が特に挙げられました。

NetOpsが直面する最大の障壁が「DevOps」スキルの不足であることを考えれば、ツール統合の不足が課題と見なされるのも不思議ではありません。通常、こうしたスキルには、従来NetOps担当者には求められてこなかった開発スキルが含まれます。多くの場合、統合にはまさにこのようなスキルが必要です。NetOps担当者は、WebやAPIベースのプロトコルをコマンドラインから呼び出すことにはおおむね慣れていますが、だからといって、ツールやテクノロジーの統合に必要なシステムを開発できるとは限りません。
これは問題です。IT運用におけるオープンソースソリューションの急速な普及により、NetOpsが自動化の取り組みで選べる選択肢は実に豊富になりました。NetOpsは、従来のスケジュールで統合が実現するのを待つつもりはありません。それも当然でしょう。結局のところ、ビジネス側もNetOpsを待ってはくれないのです。
そのためF5では、実務担当者に提供しているものと同じツールやフレームワークを活用し、従来の製品リリーススケジュールに縛られることなく、こうしたニーズに迅速に対応しています。
BIG-IPとNODE.JSによるエコシステム統合
F5 iControlLXは、BIG-IPのコントロールプレーン機能を拡張するコードを実行できる、node.jsベースの拡張性フレームワークです。このフレームワークにより、外部システムや情報源との統合が可能になるほか、BIG-IPから情報を取得して他のシステムに送信するための便利な実行環境としても利用できます。
その一例が、BigStatsというソリューションです。BigStatsは、BIG-IPが生成するテレメトリを、その情報を収集、分析、ダッシュボード表示するシステムと統合する必要性から誕生しました。BigStatsバージョン0.4は最近GitHubにコミットされ、従来のデータ形式とAS3データ形式の両方をサポートするようになりました。テレメトリのエクスポート対象も拡張され、デバイス固有の統計情報が含まれるようになりました。
この統合機能は、Office of the CTOのDeveloper AdvocateであるNathan Pearceが開発したもので、iControlLXを活用し、node.jsを使用して、ユーザーが指定した間隔で目的のエンドポイントにテレメトリを送信します。当初は、ある1社のお客さまからの要望に基づき、単一のシステムを対象としていましたが、その後、オープンソースとコラボレーションの成果として機能が拡張され、現在ではHTTP/S、statsd、Kafkaなど、複数の収集エンドポイントを送信先として指定できます。

BigStatsは、必要な情報をシンプルなJSON形式でエンコードしたHTTP POSTを使用して、ローカルまたはリモートから設定できます。
{ "config": { "destination": { "protocol": "[http|https|stats|kafka]", "address": "[送信先アドレスまたはホスト名]", "port": "[送信先TCPポート]" }, "interval": "[統計情報を送信する間隔(秒)| デフォルトは10秒]", "enabled": [true|false], "debug": [true|false] }
}
BigStatsは、BIG-IPの統計情報をテレメトリパイプラインに迅速に送信する手段を提供するだけでなく、他の統計情報を活用する追加の統合を構築する際の優れたサンプルにもなります。
また、アプリケーションに関連する運用データをGrafanaなどのダッシュボードに容易に統合できる形で活用可能にすることで、NetOpsは、アプリケーションサービスへの事業投資の価値を示すことができます。
詳しくは、Nathanによる「BigStats v0.4」の記事をご覧いただくか、GitHubのリポジトリをご確認ください。
著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
Lori Mac Vittieのその他のブログ記事関連するブログ記事

SOAS 2025:足並みの乱れが凡庸さを招く
AI導入における方針の不一致は、非効率を招きます。セキュリティ、自動化、導入の各戦略を整合させ、AIの可能性を最大限に引き出す方法をご紹介します。

WebAssemblyが重要な理由
WebAssembly(Wasm)は、あらゆるプラットフォームで高性能なアプリケーションを実現する、ポータブルで高速かつセキュアなバイナリ命令セットです。
インフラストラクチャは依然として格好の攻撃経路
クラウドコンピューティングでは、APIやドラッグ&ドロップ式の設定ツールを活用し、ネットワークやインフラストラクチャを敬遠する人がそれらを直接扱わずに済むようにすることで、インフラストラクチャへの対応を不要にすることが長年追求されてきました。しかし、インフラストラクチャを無視することも、攻撃の主要な標的であるという事実を見過ごすこともできません。
堅牢なデータアーキテクチャがもたらす戦略的メリット
適切に構築されたデータアーキテクチャがもたらす効果は、業務プロセスの改善にとどまりません。戦略的な業務効率の向上、より深いビジネスインサイトの獲得、隣接するビジネス機会への展開にもつながり、これらすべてをより俊敏に実行できるようになります。
デジタルワークフローにおける不正検知には、データだけでは不十分
2019年には、業界全体でクレジットカード詐欺の試みが約25万件確認されました。これは約2分に1件の割合です。今日、不正を検知するには、デジタルワークフロー上のできるだけ多くのポイントから収集したデータを相互に関連付け、手作業によるデータ処理をはるかに上回る速度で分析する能力が求められます。