企業が競争力を維持し、検索拡張生成(RAG)、マルチモーダルAI、エージェント型AIといった強力で将来を見据えたユースケースを活用するには、AI、アナリティクス、クラウドネイティブ開発の導入が不可欠になっています。こうした機能を支えるのが、拡張性、レジリエンス、高性能を備えたオブジェクトストレージです。
その理由は次のとおりです。現在、分散環境全体のアプリケーションが生成・消費するデータはペタバイト規模に達しており、エクサバイト規模になる日も遠くありません。また、リアルタイムのワークフローを支えるには、データをより迅速に利用できる必要があります。AIリクエストやAPI呼び出しは、クラウド、オンプレミス、エッジなど多数の環境を経由するため、遅延が蓄積し、サービスの速度低下やインサイト獲得までの時間の長期化につながります。AIアプリケーションの応答がわずか数秒遅れるだけでも、多くのユーザーが離脱する可能性があります。
効率性、実効性、拡張性に優れたオブジェクトストレージにより、企業は現在のAIプロジェクトを阻む障壁を取り除き、将来のAI活用機会を最大限に生かすための体制を整えることができます。Dell ObjectScaleとF5 BIG-IPを組み合わせた相乗効果の高いソリューションは、こうしたニーズに応えるだけでなく、分散インフラストラクチャ全体でS3互換ワークロードを提供する方法を再定義します。
F5とDellがストレージのスケーラビリティを強化する仕組み
オブジェクトストレージのグローバルリーダーであるDellは、Amazon S3などのプロトコルをサポートする、コンテナベースのソフトウェア定義ストレージプラットフォーム「ObjectScale」を提供しています。このプラットフォームは、分散環境全体での大規模なデータ収集、バックアップ、分析、生成AI向けに設計されています。最新のアップデートには、S3イベント通知や、外部アプリケーションへの自動プッシュ型更新などの機能が含まれており、AI/MLパイプラインのリアルタイム処理を可能にします。
F5 BIG-IPは、F5 Application Delivery and Security Platformの一部として、インテリジェントなトラフィック管理によりObjectScaleを補完・強化し、ハイブリッドマルチクラウド環境全体でAIデータの配信と取り込みをシームレスに運用できるようにします。F5 AIデータ配信ソリューションには、主に次の2つの製品が含まれます。
- F5 BIG-IP Local Traffic Manager (LTM)は、接続数やサーバーの健全性などのリアルタイム指標を使用して、S3 APIトラフィック(PUT、GET、DELETE、LIST)をObjectScaleノード間に分散します。
- F5 BIG-IP DNSは、地理的位置、レイテンシー、可用性に基づいてトラフィックをルーティングし、マルチサイト環境全体で最適なパフォーマンスを確保します。

F5 BIG-IP LTMとBIG-IP DNSが連携し、ホストされている場所を問わず、正常に稼働し利用可能なObjectScaleストレージインスタンスまたは仮想データセンター(VDC)へのトラフィックルーティングを最適化します。これにより、読み取り/書き込み速度を低下させるネットワークの輻輳や遅延を防ぎます。ObjectScaleと組み合わせてF5ソリューション一式を活用することで、地理的に分散した環境やハイブリッド環境でも、数ペタバイト規模のワークロードに対応するシームレスな水平スケーリング、高可用性、一貫したパフォーマンスを実現できます。こうした機能強化は、データの移動性と応答性がモデルのトレーニングおよび推論サイクルに直接影響するAIワークロードにおいて、特に重要です。
AIワークロードに対応するアーキテクチャの柔軟性
BIG-IPは、ロードバランシングにとどまらず、きめ細かな制御による適応型のトラフィックオーケストレーションを実現します。たとえば、F5 iRulesは、最も近い、または最も正常なObjectScale VDCへトラフィックを動的に振り分け、応答時間と読み取り/書き込み処理を最適化します。読み取りは元の書き込みサイトへインテリジェントにルーティングされるため、強力なデータ整合性を維持しながらレイテンシーを低減できます。
FastL4構成と標準構成の両方に追加の導入オプションが用意されており、組織の優先事項に応じて柔軟に選択できます。FastL4は、ペイロード検査を最小限に抑え、レイヤー4トラフィックをハードウェアで高速化することでパフォーマンスを向上させ、データを必要な場所へより迅速に転送します。標準構成では、TLS終端、HTTPカスタマイズ、その他のF5 iRulesなどのレイヤー7機能を組織が必要に応じて選択、適用できるため、より高度な制御とセキュリティを実現します。
トラフィックをセグメント化し、各構成プロファイルを最も効果的な箇所に適用することで、組織は両方のメリットを得られます。同じBIG-IPシステム内で、FastL4によるObjectScaleインスタンスへの読み書きに必要な高スループットと、標準構成によるアプリケーション層のロジックやWebアプリケーションファイアウォール(WAF)などの機能を活用したきめ細かな制御を両立できます。さらに、F5 VELOSおよびF5 rSeriesアプライアンスとの統合により拡張性が向上し、大規模なスループットと同時接続をサポートします
ペタバイト規模でAI/MLワークロードを効率化
スケーラビリティを中核に据えたObjectScaleは、ストレージレイヤーのボトルネックを解消するよう設計されています。一方、BIG-IPはインテリジェントなトラフィック管理を活用し、ネットワークレイヤーのボトルネックを解消します。これらのソリューションを組み合わせることで、S3プロトコルに対応し、分散環境全体で一貫して動作する、セキュアでスケーラブルな接続型ストレージを提供します。これにより、グローバルな可用性を備えたリアルタイムのマルチクラウドAIを、より容易に実現できます。

詳細については、Dellのホワイトペーパーをご覧ください。
また、F5 DevCentralに最近掲載した技術記事もぜひご覧ください。
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