エッジは、誇大な期待が渦巻く不透明な状況を脱しつつあり、引き続き注目を集めています。エッジで何ができるのかについて理解が深まるにつれ、その姿も明確になり始めています。
そして、この認識は急速に成熟しつつあり、エッジは、今日のデジタルビジネスにおける中核的な課題であるパフォーマンスに対応できるアプリケーション配信プラットフォームだという見方へと大きく変化しています。
デジタルサービス(アプリケーションとAPI)のパフォーマンス向上と、レイテンシーの影響を受けやすいサービスの両方を支える新たなエッジは、間違いなく多くの組織が注目する対象となっています。
ユースケースの優先順位で最上位にあるのは、パフォーマンスそのものではなく、パフォーマンス問題の大きな要因となるデータの収集、処理、分析です。

データ関連のワークロードをエッジにデプロイすることは、静的コンテンツの配信やセキュリティサービスの立ち上げほど容易ではありません。Webフロントエンドなど、デジタルエクスペリエンスを支えるアプリケーションワークロードのデプロイも同様です。どちらにも、従来のエッジ(CDN)プラットフォームより堅牢なプラットフォームが必要です。
また、これらのプラットフォームはまだ黎明期にあるものの、市場には明確な需要があります。

回答者の4分の3以上が、データおよびアプリケーション配信のワークロードをエッジに展開する予定です。こうしたワークロードの開発、展開、運用をサポートできるプラットフォームがなければ、その計画は実現しません。
このようなプラットフォームが必要なのは、エッジによって、人、マシン、ソフトウェアといったユーザーとの近接性を活かす新たなアプリケーションパターンが生まれているためです。さらに、これらのパターンではコアやクラウドへのワークロードのデプロイも必要となるため、実現は一層複雑になります。
新たなパターンの登場
エッジアプリケーションパターンは、インタラクションパターンだけでなく、データと制御のフローも対象とする点で独自性があります。その意味で、IT(情報技術)とOT(運用技術)の両方の要件を統合した初期のアプリケーションパターンの1つです。
たとえば、アプリケーションアーキテクチャにおける「データ」という用語は、一般にビジネス関連のデータを指します。顧客情報、製品カタログ、さらには注文履歴や請求履歴などです。しかし、テクノロジーがエッジへと拡張されるにつれて、運用データもアーキテクチャの構成要素となります。たとえば、構成やポリシーは固有のデータ構造であり、アーキテクチャ上の意思決定で考慮する必要があります。
データのカテゴリーとして重要性が高まっているのが、システム、プラットフォーム、デバイス、アプリケーションが自身の状態について生成するデータであるテレメトリです。これには、ステータス、エラー、パフォーマンス、その他の運用上の詳細情報が含まれます。
ただし、エッジへの配置が計画されているアプリケーションとデータのワークロードは、デジタルサービスを市場に提供するために必要なワークロードの一部にすぎません。デジタルサービスの大部分は、アカウント管理、注文処理、支払い方法、法的契約など、さまざまな機能を担う従来型およびモダンなアプリケーションワークロードによって支えられています。これらのワークロードは「エッジ」ワークロードとは見なされず、コア環境またはクラウド環境に引き続き配置されます。
アプリケーションがコア、クラウド、エッジの各プラットフォームにまたがるという現実は、エッジとサイト信頼性エンジニアリング(SRE)の興味深い関係を説明するものかもしれません。SREの実践は、提供の効率、スピード、拡張性を向上させる、よりクラウドに近い運用と強い相関があります。エッジプラットフォームにも、同様の運用方法をサポートできるクラウドのような特性が必要です。F5の調査によると、SREとエッジの間には相関関係があると考えられます。これは、SREの実践を導入することで、組織がエッジコンピューティングのメリットを享受するための「準備が整った状態」になることを示唆しています。

あらゆる兆候が示すEdge 2.0プラットフォームの必要性
エッジでの実行が計画されているワークロードや、新たなアプリケーションパターンを生み出すデータフローを踏まえると、あらゆる兆候がEdge 2.0プラットフォームの必要性を示しています。このプラットフォームでは、アプリケーションとデータの分散機能が重視されます。
このプラットフォームはクラウドのような特性を備えており、インフラストラクチャとネットワークリソースにソフトウェア定義の弾力性を取り入れています。アプリケーション指向で、アプリケーションライフサイクル全体のツールセットと完全に統合されます。分散型セキュリティ、データ処理、分析の各機能をサポートします。運用エクスペリエンスにも配慮し、SREが自動化と統合コントロールプレーンを通じてデリバリーを自動化および最適化するために必要なオブザーバビリティを提供します。
そのようなプラットフォームは、まだ存在していません。しかし、今年のデータは、その実現を後押しする需要があることを示しています。
Edge 2.0の時代へようこそ!
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著者について

Lori MacVittieは、F5のOffice of the CTOに所属するDistinguished Engineer兼Chief Evangelistであり、アプリケーションデリバリ、自動化戦略、インフラストラクチャに関する深い専門知識を有しています。AIエージェントのガードレール策定、脆弱なマルチクラウドアーキテクチャの分析、スケーラブルなシステムの限界の検証など、複雑な事柄を明快にすることで知られています。アプリケーション開発、ITアーキテクチャ、ネットワークおよびシステム運用の分野で、30年以上にわたる業界経験を有しています。F5入社前は、受賞歴のあるテクノロジー編集者として活躍していました。 MacVittieはコンピューターサイエンスの修士号を取得しており、セキュリティ、クラウド、エンタープライズアーキテクチャにわたる分野で多数の著作を発表しています。また、テーブルトークゲームとビデオゲームをこよなく愛し、チーズについては遠慮なく強いこだわりを語ります。
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